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生体腎移植のメリットは、移植の日程をあらかじめ決めることができる点です。このために、受腎者(レシピエント)自身も移植前に全身状態のチェックを綿密に行うことができ、最善の状態で移植手術に望むことができます。また血液型不適合の移植などは、移植前に一定の期間をかけて治療を行うことによって、生体腎移植でのみ移植が可能になります。したがって組織適合性の面からも、献腎移植に比べて生体腎移植のほうが適応範囲は広いといえるでしょう。さらに、移植時の腎臓の状態が良好であるために、移植直後から尿が出るのが一般的です。ただし、生体腎移植においては健康な人が提供者となるため、臓器提供手術が安全に施行され、臓器提供後も健康な状態を維持できることが必須であり、提供者に対する詳細な術前検査が必要となります。また、提供者の方も手術後は生涯にわたり定期的にフォローアップを続ける配慮が必要です。
これに対して献腎移植は、健康な人を傷つけないという点で、より自然な臓器移植の形であることが最大のメリットです。また現状では、献腎移植の選択基準はHLA適合度が最優先されているため、組織適合性が良好であることが多く、免疫抑制療法の進歩により移植後早期の拒絶反応による機能廃絶の危険性もほとんどないといえるでしょう。ただし、提供者数がきわめて少ないのが現状であり、なかなか献腎移植の機会に恵まれないことが、最大の問題点といえます。また生体腎移植とは異なり、移植直後から尿が出始めることは少なく、移植後もしばらくのあいだ透析療法を続ける必要性が高くなります。
監修:名古屋第二赤十字病院・打田和治