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全体の生着率としては、統計上は生体腎移植のほうがやや良いと考えられますが、全てをひとくくりにして述べることはできません。移植後早期の拒絶反応による機能喪失がほとんどなくなった現在においては、いったん機能を発現した腎臓であれば、相当期間の生着が期待できます。この生着期間を左右する因子としては、提供者の年齢や提供者と受腎者の体格差などの免疫とは無関係のものがあげられます。したがって、単に生体腎移植と献腎移植という比較はできないと言えます。あえて言えば、献腎移植の不利な点としては、提供腎の状態が生体腎に比べてよくないために、腎機能が発現しない可能性がゼロではないということです。ただし、献腎において高頻度に認められる移植直後の急性尿細管壊死という病態は、ほとんどが可逆的な変化であり、いったん機能が発現した腎臓においては、移植後安定した時点での腎機能が同等であれば献腎あるいは生体腎の別により生着率の差を区別することは困難でしょう。
監修:名古屋第二赤十字病院・打田和治