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移植した腎臓が、うまくはたらかなくなる原因でもっとも多いのが「拒絶反応」です。移植後、数カ月以内に起こりやすい急性拒絶反応で腎機能を失うことは、免疫抑制剤の進歩、使いかたの進歩により減ってはいますが、まだ「ゼロ」とは言えないのが現状です。移植前に、拒絶反応が起こりやすい要因をもっている方は、事前の血漿交換、脾臓摘出、強力な免疫抑制剤の使用などで対応しています。移植後、しばらくしてから起こる拒絶反応を「慢性拒絶反応」といいますが、移植後、長期となってから腎臓を失う原因として、もっとも高頻度なものです。免疫学的な要因だけでなく、少ない糸球体に負担がかかり起こってくる糸球体硬化、あるいはシクロスポリン、タクロリムスなどの免疫抑制剤の腎毒性などもあいまって複雑な病相を呈してきます。自分の腎臓に起こった病気が、再び移植腎に起こることもあります。そのような病気の代表は、「巣状糸球体硬化症」ですが、病気の再発で、残念ながら移植腎を失うことがあります。ほかには命にかかわる合併症(重篤な感染症、悪性腫瘍、肝不全など)で、いたしかたなく免疫抑制剤を中止せざるを得ないこともあります。あとは、頻度は少ないのですが、腎臓、尿路に癌が発生したり、尿路結石ができたり、動脈瘤ができたりすることが原因となることがあり得ます。
監修:名古屋第二赤十字病院・打田和治