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臓器移植について

2-28. 再び透析を導入するのに気をつけなければならない点はありますか

【Answer】

腎移植後、腎機能が悪化し透析を始める基準は、普通の腎不全患者さんの場合と大きな違いはありません。表に厚生省科学研究、腎不全医療研究班が提案した透析導入基準を示します。ただ、移植後の方は免疫抑制剤を内服しており、免疫抑制状態にあります。腎不全と免疫不全状態が合併するため、感染症などの合併症、心血管系の合併症が起こる危険性が高くなります。したがって、移植後ではない一般の透析導入基準より少し早め(たとえば血清のクレアチニン値がそれほど高値でない時点)に透析に導入したほうがよい場合があります。とくに水分の調節がうまくいかず体に貯まった状態、感染症など合併症を有した場合では、早めの透析導入が安全です。

表.慢性腎不全透析導入基準(案)
I.臨床症状II.腎機能III.日常生活、合計60点以上を透析導入とする
  注:年少者(10歳未満)、高齢者(65歳以上)、
    全身性血管合併症のあるものについては10点を加算
I.臨床症状
  1.体液貯留(全身性浮腫、高度の低蛋白血症、肺水腫)
  2.体液異常(管理不能の電解質・酸塩基平衡異常)
  3.消化器症状(悪心、嘔吐、食欲不振、下痢など)
  4.循環器症状(重篤な高血圧、心不全、心包炎)
  5.神経症状(中枢・末梢神経障害、精神障害)
  6.血液異常(高度の貧血症状、出血傾向)
  7.視力障害(尿毒性網膜症、糖尿病性網膜症)
   これら1~7小項目のうち3個以上のものを高度(30点)、
   2個を中等度(20点)、1個を軽度(10点)とする

II.腎機能
   ---------------------------------------------------------
  血清クレアチニン(mg/dL)
  〔クレアチニンクリアランス(mL/分)〕   点数
   ---------------------------------------------------------
   8以上〔10未満〕              30
   5~8未満〔10~20未満〕         20
   3~5未満〔20~30未満〕         10
   ---------------------------------------------------------

III.日常生活障害度
  尿毒症状のため起床できないものを高度(30点)、
  日常生活が著しく制限されるものを中等度(20点)、
  通勤、通学あるいは家庭内労働が困難となった場合を軽度(10点)

(厚生科学研究・腎不全医療研究班、1991)

監修:名古屋第二赤十字病院・打田和治

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