腎不全と透析
腎臓の働き-腎臓の機能と役割
- 腎臓の主な働きは、体の中を流れる血液を濾過して尿をつくることです。
- 血液中の老廃物や余分の水分が尿として体の外に排泄されることで、体の中のバランスが保たれています。
腎臓の外観と位置
- 腎臓は左右に1個ずつ対になっており、位置は腰のやや上で、胃や肝臓の後ろ側にあります。
- 成人の腎臓の大きさはこぶしぐらいで、重さは120~200グラム、形はそら豆に似ています。
- 腎臓でつくられた尿は尿管を通って膀胱にたまり、体外に排泄されます。
- 心臓から出た血液は腹部大動脈を経て、左右の腎動脈に分かれ、それぞれ腎臓に入っていきます。
- 腎臓で濾過されたあとの血液は腎静脈、下大静脈を通って心臓に戻ります。
腎臓の内部構造
- 腎臓の濾過装置としての働きを担っている構造単位をネフロンといいます。1個の腎臓には約100万個のネフロンがあります。
- ネフロンは糸球体と尿細管からできています。糸球体は毛細血管が球状に絡み合ったもので、腎臓の外側に近い皮質の部分に存在しています。直径は0.2ミリと非常に微細なものです。
- 尿細管は糸球体につながっている長さ約5センチの管で髄質の部分でヘアピン状に曲がり、集合管につながります。糸球体でこし出された原尿は尿細管と集合管を流れるうちに最終的に尿となり、腎盂(じんう)に集まります。
腎臓の働き
(1)尿をつくる
腎臓のもっとも重要な働きは、体の中を流れる血液を濾過して尿をつくることです。血液を浄化し、老廃物や水分などを尿として体外に排泄することによって、体を正常な状態に保ちます。
- 老廃物の排泄
血液を濾過して、血液の中の老廃物(終末代謝産物)を除去し、尿をつくります。
- 体の水分の量を調節する
人間の体の中には体重の約60%の水分が含まれています。細胞内に約3分の2、細外に約3分の1があります。腎臓は尿をつくることで細胞外の水分の量を調節します。汗を多量にかいたときなど、体に水分が不足するときは尿の量を減らし、逆に水分が多すぎるときは、尿の量を増やして水分を排泄します。
- 電解質濃度の調節
人間の体の中にはナトリウム、カリウム、カルシウム、リン、マグネシウムなどの電解質が含まれており、生命を維持する上で不可欠な働きをしています。これらの電解質の濃度は一定の範囲に保たれる必要があります。腎臓は尿をつくることによって、電解質の濃度を調節します。
- 酸と塩基のバランスを保つ
人間の体液のpHは弱いアルカリ性で、酸性に傾くと問題が起きます。腎臓は体液の酸とアルカリの排泄を調節して、弱アルカリ性に保っています。
(2)ホルモンの分泌とビタミンDの活性化
- 腎臓では体を維持する上で大切な、以下のようなホルモンもつくられています。
赤血球がつくられるのを促進するエリスロポエチン
血圧を調節するレニン、プロスタグランディン、カリクレイン、キニン
- またビタミンDを活性化して、カルシウムの吸収を促進します。
腎臓が尿をつくる仕組み
- 心臓を出て腎動脈から腎臓に流れ込む血液は、さらに細かく分かれて行き、輸入細動脈となって糸球体に入って行きます。そして糸球体の毛細血管を通る間に、血圧によって老廃物を含んだ原尿がこし出されます。濾過されてきれいになった血液は輸出細動脈から腎静脈へ流れ、心臓にかえっていきます。
- 糸球体でこし出された原尿は、糸球体につながる尿細管と集合管を流れていくうちに、体に必要なものが再吸収され、濃度を調整されて最終的にできた尿は腎盂に集まります。ここから尿は尿管を通って膀胱に流れ、体外に排泄されます。
- 腎臓には心臓から流れ出る血液の約4分の1から5分の1にあたる毎分約1リットルの血液が流れ込んでいます。この血液が糸球体で濾過され、1分間に約100ミリリットルの原尿ができます。原尿は尿細管と集合管で再吸収され、1ミリリットルの尿になります。1日分にすると、約150リットルの原尿から約1.5リットルの尿ができることになります。最初に糸球体で血液を濾過して大量の原尿をつくり、その後、尿細管と集合体を通る間に調整を加えて最終的な尿をつくる仕組みです。