エビデンス:CHARM

※本コンテンツはメディカルレビュー社 『高血圧ナビゲーター第2版』 第6章EBMより、出版社の承諾のもと一部改変し掲載しております。
※本コンテンツに掲載された記事には海外で実施された試験が含まれており、本邦で承認されている効能・効果および用法・用量とは異なる場合があります。
Candesartan in Heart Failure Assessment of Reduction in Mortality and Morbidity
山崎力(東京大学医学部附属病院臨床ゲノム情報部)
3つのサブグループごとにARBカンデサルタンの慢性心不全患者への有用性を検証した。心血管死および心不全による入院のリスクが低下することが明らかとなった。
目的・対象
慢性心不全患者の死亡を含む心血管事故発症に及ぼすARBカンデサルタンの効果を検討することを目的として、18歳以上、NYHA分類II〜IV度の症状が4週以上持続する症候性慢性心不全患者7,599例に対してカンデサルタン服用の有無で2群化した介入試験が行われた1)。
下記のサブグループにより検討した。
- 左室駆出率(LVEF)≦40%でACE阻害薬服用中の患者2,548例2)
- LVEF≦40%で忍容性不良によりACE阻害薬が服用できない患者2,028例3)
- LVEF>40%の患者3,023例4)
結果
7,599例の検討結果は以下の通りである。全死亡の発生はカンデサルタン群886例(23.3%)、プラセボ群945例(24.9%)で、カンデサルタン群で全死亡のリスクが約9%低下し(ハザード比0.91、P=0.055、補正後ハザード比0.90、P=0.032)、心血管死および心不全による入院のリスクは16%低下した(ハザード比0.84、P<0.0001、補正後ハザード比0.82、P<0.0001)。また、心血管死または非致死性心筋梗塞の発症率は約13%低下した(表)(ハザード比0.87、P=0.004)5)。さらに、post hocの解析ではあるが、カンデサルタン群で新規糖尿病発症が22%低下した(ハザード比0.78、P=0.020)。

図 カンデサルタンの心血管事故抑制効果(CHARM-Overall)
MI:心筋梗塞、NNT:number needed to treat、NA:適用外
サブグループ解析
サブグループの検討では、心血管死および心不全による入院の発生リスクはLVEF≦40%のACE阻害薬服用患者では15%低下(P=0.011)2)、LVEF≦40%のACE阻害薬非服用患者では23%低下(P=0.0004)3)と、それぞれ有意に低下した。しかし、LVEF>40%の患者では11%低下したものの有意差は認められなかった(P=0.051)4)。
考察
以上より、慢性心不全患者では、カンデサルタンの投与によって、心血管死および心不全による入院のリスクが低下することが示された。ただし、カンデサルタンの効果は、LVEF≦40%の患者ではACE阻害薬服用の有無にかかわらず認められたものの、LVEF>40%の患者ではその効果は限定的であった。また、ACE阻害薬、β遮断薬、ARBの3剤併用の有用性も示された。
略語
LVEF:left ventricular ejection fraction
MI:myocardial infarction
Recommended Readings
- Cohn JN et al:N Engl J Med 345:1667-1675, 2001
References
- Pfeffer MA et al:Lancet 362:759-766, 2003
- McMurray JJ et al:Lancet 362:767-771, 2003
- Granger CB et al:Lancet 362:772-776, 2003
- Yusuf S et al:Lancet 362:777-781, 2003
- Demers C et al:JAMA 294:1794-1798, 2005

