「生きる」とは「人のために何かをやれること」(作文)
小林未央(16歳)

 私は、小学校二年生の時にアメリカで心臓移植をしました。移植前のことはあまり覚えていませんが、主治医の布田先生が小学校一年生の私にもわかるように、絵を書いてくれたり心臓病の話しをしてくれたり、一生懸命説明してくださったと母から聞きました。
自分では良くわかっていなかったのかもしれませんが、とにかく病気が治るなら、たとえ地球の裏側であろうと行きたいと思っていました。移植のために渡米する時から術後の一番大変だった頃のことは、本当に記憶がありません。病気が悪化して考える力が弱っていたのかもしれません。術後は、記憶が戻ってからも検査検査の毎日でしたが、私にとってはそれ以上に楽しいことが多かったので、辛かったこと苦しかったことはあまり覚えていないのです。
移植を通して、たくさんの人と出会いました。渡米を間近に控えた7月7日に病室で七夕をしてくれた国立甲府病院の看護婦さん。アメリカで家族のように大切に接してくれた日系人の方々。治る見込みも少なかった私をアメリカの医師に一生懸命働きかけてくれて、わざわざアメリカまで連れていってくれた布田先生。そのほかにも、アメリカのお医者さんや看護婦さんに本当にお世話になりました。私は、とても恵まれていました。私ひとりの命を助けるために多くの人が協力してくれました。私の命は、自分ひとりのいのちではないというその重みを感じています。移植は私にとって辛いことではなく、とても良い経験でした。自分でもまさかこんなに元気になれるとは思ってもみませんでした。本当に嬉しいです。
今から移植を受けなければならない人や今病気の人たちに言いたいです。「どうして自分ばかり・・・」とは考えないでください。そんなことを考えて生きる力を失えば、自分も家族も辛くなるばかりです。
私の命を助けてくれた人たちのために、今病気の人たちのために、私は自分の命を大切にして元気な姿をいつまでも見てもらいたいんです。これからもいろいろなことに挑戦して病気の人や苦しんでいる人たちに少しでも勇気を与えられたらと思っています。