ホーム >> ノバルティスについて >> プレスリリース >> 2006年

プレスリリース

プレスリリース

印刷用PDF

2006年5月10日

報道関係各位

ノバルティス ファーマ株式会社
中外製薬株式会社

-閉経後乳がん治療薬-
「フェマーラ®錠 2.5mg」、5月11日に新発売

閉経後乳がん治療のパラダイムを変える、新たな選択肢となる可能性に期待

ノバルティス ファーマ株式会社(代表取締役社長:馬場宣行)と中外製薬株式会社(代表取締役社長:永山 治)は、5月11日、閉経後乳がんの治療薬として、「フェマーラ®錠 2.5mg(一般名:レトロゾール)」を新発売いたします。

アロマターゼ阻害剤「フェマーラ」は、閉経後の乳がん治療薬として、すでに世界90カ国以上で発売されており、乳がん内分泌治療における標準薬の一つとなっています。日本では、本年1月23日に、ノバルティス ファーマ株式会社が厚生労働省より閉経後乳がんを適応として製造販売承認を取得、4月28日に薬価収載、ノバルティス ファーマ株式会社が製造販売し、中外製薬株式会社が共同販売いたします。
対象となる治療は、ホルモン(エストロゲン)受容体陽性の閉経後早期乳がんの患者さんに対する手術後の再発防止のための補助療法、ならびに手術の実施が困難な進行・再発後乳がんに対する一次治療および二次治療となります。

主な製品特性として、

(1)エクステンディド・アジュバント療法(乳がん手術後5年間の標準的なタモキシフェン治療後の補助療法)としての有用性が、大規模臨床試験「MA.17」で証明された唯一のアロマターゼ阻害剤。

(2)手術直後から開始する補助療法(イニシャル・アジュバンド)において、海外大規模臨床試験「BIG 1-98」によって、再発リスクの減少が確認され、中でも再発リスクが高い患者群においては特に有用である。

(3)進行・再発乳がんに対して、世界的な標準薬であるタモキシフェンよりも優れた効果を示している(大規模臨床試験に関しては添付資料を参照)。

ノバルティス ファーマ株式会社 オンコロジー事業部長の淺川一雄は、「フェマーラは、海外で実施された大規模臨床試験による豊富なエビデンスに裏付けられた有効性と安全性によって、生涯にわたって乳がん患者さんを再発リスクから守り、治療パラダイムを変える可能性が期待されています」と述べています。

また、中外製薬株式会社 学術担当執行役員 中村直隆は、「日本でも、フェマーラによる術後補助療法ならびに進行・再発乳がんに対する幅広い治療が可能となります。フェマーラは、閉経後乳がん治療の新たな選択肢として、患者さんや医療関係者に貢献できると確信しております」と述べています。

閉経後乳がんとアロマターゼ阻害剤「フェマーラ」の作用機序
乳がんはホルモン依存性のがんで、女性ホルモンであるエストロゲンが乳がん細胞にあるエストロゲン受容体に結合することによって増殖します。閉経前の女性では、主に卵巣からアロマターゼという酵素の働きによってエストロゲンが生成されます。一方、閉経後の女性では、卵巣機能の低下もしくは喪失に伴いエストロゲンの生成・分泌の機能は低下していますが、副腎から分泌される男性ホルモン(アンドロゲン)から、脂肪組織などに存在するアロマターゼによって生成され、これが乳がんの増殖に関与します。フェマーラは、このアロマターゼを阻害することによって、アンドロゲンからエストロゲンの生成を抑止することでがんの増殖を抑制します。

閉経後乳がん治療におけるフェマーラの位置づけ
閉経後乳がんでは、患者さんの病状やがんの進行状況によって、様々な治療方法が用いられています。フェマーラは、ホルモン(エストロゲン)受容体陽性の閉経後早期乳がんの患者さんに対して、手術後の再発防止のために行われる補助療法、ならびに手術の実施が困難な進行・再発の閉経後乳がんの患者さんに対する治療として、広く用いることができます。

術後補助療法
乳がんの場合、手術によってがんを切除しても、目に見えない微小転移がある可能性があり、それが再発するとその後の治癒は非常に難しくなります。術後補助療法は、この目に見えない微小転移の増殖を徹底的に抑制し、再発を防ぐために行われる治療法で、乳がん治療において最も重要です。

乳がんの術後補助療法においては、ホルモン剤であるタモキシフェンが標準的に最長5年を目処に、手術直後から使用されています。しかし、5年を超えて治療を継続する有用性は証明されておらず、従来はタモキシフェンによる術後補助療法の終了後の補助療法は存在しませんでした。フェマーラは、手術直後から投与した場合でも、タモキシフェンによる術後補助療法が終了した後の補助療法においても、再発リスクを有意に減少させることが大規模臨床試験によって証明された唯一の乳がん治療薬です。

(1):手術直後から開始する補助療法(イニシャル・アジュバント)
海外で実施された大規模臨床試験「BIG 1-98」の結果、フェマーラが再発リスクを有意に減少させ、また無病生存期間を延長することが明らかになり、術後補助療法の初期治療としてもフェマーラを用いることが承認されました(詳細は、参考資料の臨床データの項をご参照ください)。この適応症は、米国においても昨年12月28日に承認されました。また、3月20日にはドイツでも承認を取得し、欧州相互認証手続きに従った、適応追加に対する初の承認となり、欧州のその他の国々での承認も期待されています。

(2):タモキシフェンによる術後補助療法終了後の治療 (エクステンディド・アジュバント)
フェマーラは、タモキシフェン治療終了後の乳がん再発リスクを効果的に減少させることが、大規模臨床試験(MA.17:詳細は、参考資料の臨床データの項をご参照ください)によって証明されている初めての治療薬です。このエクステンディド・アジュバントの適応は、米国や欧州を含む世界50カ国以上で承認されています。


ノバルティス ファーマ株式会社について
ノバルティス ファーマ株式会社は、スイス・バーゼル市に本拠を置く医薬品とコンシューマーヘルスの世界的リーダー、ノバルティスの医薬品部門の日本法人です。ノバルティス グループ全体の2005年の売上高は322億米ドル(約3兆5,433億円)、当期純利益は61億米ドル(約6,755億円)、研究開発費は48億米ドル(約5,330億円)でした。スイス・バーゼル市に本拠を置くノバルティスは、約96,000人の社員を擁しており、140カ国以上で製品が販売されています。http://www.novartis.co.jp/

中外製薬株式会社について
中外製薬は、東京に本社をおき、2005年の国内売上高第4位の医療用医薬品に特化した製薬企業です。2002年10月のロシュ・グループとの戦略的アライアンスの締結以降、ロシュ・グループの最重要メンバーとして、医療用医薬品に関して国内外にわたる積極的な研究開発活動を展開しています。特に「がん」「腎」「骨・関節」の3領域を中心に、国際的に通用する革新的な医薬品の創製に取り組んでいます。
国内では、富士御殿場、鎌倉に研究拠点を配置し、連携して創薬研究活動を行う一方、浮間では工業化技術の研究を行っています。また海外では、子会社の中外ファーマ・ユー・エス・エー・エルエルシー、中外ファーマ・ヨーロッパ・リミッテッドが、米国と欧州においてそれぞれ臨床開発活動を行っています。
中外製薬は、2006年中に8品目の製造承認申請を計画しており、2010年の目標である連結売上高4,500億円を目指しています。

上記の発表には、現時点での将来への予想と期待が一部含まれております。従って、その内容に関しては、また将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、将来の結果が現在の予想と異なる可能性があることをご了解ください。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm 20-Fをご参照ください。

以上


<参考資料>
  1. フェマーラ®錠2.5 mgの概要
    ◇製品名
    : フェマーラ®錠2.5 mg
    (Femara®
    ◇一般名
    : レトロゾール(Letrozole)
    ◇効能・効果
    : 閉経後乳癌
    ◇用法・用量
    : 通常、成人にはレトロゾールとして1日1回2.5 mg を経口投与する。
    ◇承認日
    : 2006年1月23日
    ◇薬価収載日
    : 2006年4月28日
    ◇薬価
    : 687.5円
    ◇発売日
    : 2006年5月11日
    ◇製造販売 
    : ノバルティス ファーマ株式会社
    ◇共同販売 
    : 中外製薬株式会社
  2. 臨床試験データ

    今回の発売は、次の臨床試験データに基づき承認されたものです。

    【1】国内臨床試験
    (1) 一般臨床試験
    抗エストロゲン剤による治療歴のある閉経後乳がん(進行・再発)の患者さんを対象とした、一般臨床試験において、本剤1日1回2.5mg投与の奏効率は29.0%でした。

    (2) 後期第II相試験:第2次治療
    抗エストロゲン剤に対して無効となった閉経後乳がん(進行・再発)の患者さんを対象とした、後期第II相試験において、本剤1日1回2.5mg投与の奏効率は21.1%でした。

    【2】海外大規模臨床試験
    (1) タモキシフェンとの比較試験:第1次治療
    世界29カ国で実施した閉経後進行性乳がんの患者さんの大規模臨床試験において、主要評価項目である病状が悪化するまでの期間の中央値はフェマーラ群で9.4ヵ月、タモキシフェン群で6.0ヵ月であり、フェマーラ群はタモキシフェン群と比較して、病状が悪化するリスクを約30%低下しました。

    (2) 術後補助療法(イニシャル・アジュバント)に関するタモキシフェンとの比較試験
    (BIG 1-98試験)

    Breast International Group主導により、ホルモン受容体陽性の閉経後早期乳がんの患者さんを対象とした術後補助療法(イニシャル・アジュバント)として実施した大規模臨床試験において、主要評価項目である無病生存率に関して、フェマーラ群はタモキシフェン群と比較して再発のリスクを相対的に19%低下させ、5年時点での無病生存率はフェマーラ群で84.0%、タモキシフェン群で81.4%でした。特に、乳がんの重要な予後因子である腋窩リンパ節転移陽性例において、フェマーラ群はタモキシフェン群と比較して、再発のリスクを相対的に29%低下させました。また、副次的評価項目である遠隔再発についても、フェマーラ群は相対的に27%減少させました。

    (3) 術後補助療法(エクステンディド・アジュバント)に関するプラセボとの比較試験
    (MA.17試験)

    National Cancer Institute of Canada主導による、ホルモン受容体陽性の閉経後早期乳がんの患者さんを対象とした、タモキシフェンによる術後補助療法完了後の治療(エクステンディド・アジュバント)として実施した大規模臨床試験において、主要評価項目である無病生存率に関して、フェマーラ群はプラセボ群と比較して再発のリスクを相対的に42%低下させ、4年時点での無病生存率はフェマーラ群で94.4%、プラセボ群で89.8%でした。また、副次的評価項目である遠隔再発についても、フェマーラ群は再発リスクを40%減少させました。全生存率については両群間で同等でしたが、腋窩リンパ節転移陽性症例においてフェマーラ群は、死亡のリスクを39%改善しました。

  3. 副作用

    国内臨床試験において、290例中119例(41.0%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められました。そのうち臨床症状が25.9%(75例)、臨床検査値異常が25.2%(73例)でした。主な臨床症状は、ほてり6.6%(19件)、頭痛3.1%(9件)、関節痛2.8%(8件)、悪心2.4%(7件)、発疹2.1%(6件)、そう痒症2.1%(6件)、浮動性めまい1.7%(5件)等でした。臨床検査値異常の主なものは、血中コレステロール増加8.3%(22件/265例中)、ALT (GPT) 増加7.9%(22件/278例中)、ALP増加7.3%(20件/275例中)、γ-GTP増加6.6%(17件/258例中)、AST (GOT)増加6.4%(18件/280例中)等でした。

  4. 禁忌

    妊婦または妊娠している可能性のある婦人、授乳婦、本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者への投与は禁忌となっています。

ノバルティスダイレクト

文字サイズの変更

  • 小さく
  • 標準
  • 大きく