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2006年5月17日
報道関係各位
ノバルティス(スイス)が発表しました、グリベックに関するリリースの日本語訳(要約)をご参考までにお届けします。
ノバルティスのグリベック、承認から5年
-持続的な病態コントロールを実現する
分子標的治療薬への期待を現実のものに-
2006年5月10日、バーゼル発–抗がん剤としては当時最短となる11週間の審査期間を経て、フィラデルフィア(Ph)染色体陽性の進行期の慢性骨髄性白血病(CML)の治療薬として、FDA(米国食品医薬品局)によって2001年5月に承認されたグリベック® (Glivec:イマチニブ)1) は、5年間の治療実績から、がんの根本原因を標的とする分子標的治療薬として、その有効性と高い忍容性が証明された初めての抗悪性腫瘍薬となりました。
Ph染色体陽性慢性期CMLの初発成人患者を対象とした、現時点で最大規模のグリベックの臨床試験となるIRIS(International Randomized Interferon versus STI571)試験について、最近発表された4年半(54カ月)の中間データにより、グリベックによって治療を受けている患者さんの90%以上が生存し、病気の進行が抑制されていることが示されました。さらに、5年目の最新データが、6月3日、ASCO(米国臨床腫瘍学会)で発表される予定です。
グリベックが発売される前は、Ph染色体陽性CML患者さんの約50%がわずか3~5年のうちに病期が進行し、その結果生存期間も短く、従来の治療薬では、重大な副作用のため長期間にわたる投与継続が困難な状況が少なくありませんでした。
ノバルティスの会長兼最高経営責任者のダニエル・バセラ(Dr. Daniel Vasella)は、「グリベックは慢性骨髄性白血病の治療薬としてこれまでにない有効性と安全性を示し、多くの患者さんが日常生活を取り戻すことを可能にしています。グリベックをパイオニアとする過去10年以上に及ぶ基礎研究と臨床開発、ならびに20万患者・年2)以上というの多くの患者さんを対象とする長期の臨床使用経験により、私たちは理論に基づいた薬物設計の方向に自信を持って歩みを進めていくことができます。グリベックの成功によって私たちは、今後、確信を持って治療成果を高めるための画期的な医薬品の研究開発を、さらに追求していきます」と述べています。
1)米国での名称はGleevec® 錠(メシル酸イマチニブ)
2)患者・年:一人の患者が毎日常用量を1年間服用し続けたと仮定したとき、これまでに延べ20万人以上が服用した計算。使用人数×使用年数で表す。
例えば、1人の患者さんが3年間グリベックを服用した場合、3患者・年となる。
オレゴン健康科学大学白血病研究所でJELD-WEN Chairを務め、ハワードヒューズ医学研究所の研究員でもあり、グリベックの主要臨床試験では治験責任医師を務める医学博士ブライアン・デュルッカー氏(Brian Druker)は、「私たちがグリベックから学べることは、あるがんの根本原因が何であるかが正確にわかればその異常を狙い撃ちにし、有効性、忍容性ともに高く、かつ長期間使用できる治療薬を開発できるということです。5年を経た現在、確信をもって言うことができます。がんの根本原因をつきとめ、その働きを停止させることが理にかなっているのはもちろんのこと、実際に臨床での効果を発揮するのです」と述べています。
グリベックはPh染色体陽性CMLの根本原因であるBcr-Ab1を阻害することが確認されて以来、Ph染色体陽性CMLに対する初の分子標的治療薬と言えます。2001年5月10日に異例の早さで米国で承認された後、同年中にはEU、その後も世界各国で相次いで承認を取得しています。
最初の承認取得以来、ノバルティスは業界に先駆けてグリベック患者支援プログラム(GIPAP:Glivec International Patient Assistance Program)を実施しました。この国際プログラムおよび米国における患者支援プログラムを通じて、これまでに世界80カ国以上で約15,500人の患者さんがグリベックによる治療を受けています。これらプログラムでは、保険未加入または保険償還が受けられない、あるいは経済的理由で治療費が支払えない患者さんを対象として、各国で承認状況に従ってグリベックが無償で提供されます。
ノバルティスは、グリベックによる他のがん種を対象とした治療についても継続して研究開発を進めています。2002年には、世界各国で消化管間質腫瘍(GIST)の適応も追加承認されています。
また2005年には、米国とEUで固形がんの一種である隆起性皮膚線維肉腫、特定の骨髄増殖性疾患、ならびに成人におけるPh染色体陽性の急性リンパ性白血病の追加適応も申請しました。今年はさらに、好酸球増加症候群と全身性肥満細胞症という罹患率の低い2つの血液悪性腫瘍についても申請を行いました。これら5疾患は稀ですが、いずれも生命に危険を及ぼす疾患であり、また承認された治療法もほとんどないのが現状です。
グリベックについて
グリベックはある種の白血病および消化管間質腫瘍の治療薬として承認されたシグナル伝達阻害剤で、腫瘍細胞の増殖を促すシグナル伝達経路を阻害します。特定のがん細胞のしくみを明らかにすることによって、理論に基づいて設計された薬剤の有用性を実証した先駆的な抗悪性腫瘍薬の一つです。
EUにおいてグリベックは、骨髄移植が第一選択治療として適用されない、Ph染色体陽性CMLの初発患者に対する治療に用いられています。米国では、Ph染色体陽性慢性期CMLの初発成人患者、および幹細胞(分化細胞を生じさせる未分化細胞)移植後に病気が再発した、あるいはインターフェロンα治療に抵抗性のPh染色体陽性慢性期CMLの小児患者に対する適応が承認されています。一方、日本ではすべての病期のPh染色体陽性CMLの成人患者に対して承認されています。また、すでに世界90カ国以上で急性期、移行期、あるいはインターフェロンα治療無効後の慢性期における、Ph染色体陽性CMLの成人患者に対する治療薬として承認されています。
さらに、EUや米国をはじめとする各国において、切除不能および/または転移性(他の身体部位に転移している)KIT(CD117)陽性消化管間質腫瘍(GIST)の患者の治療薬としても承認されています。日本では、KIT(CD117)陽性GIST患者の治療薬として承認されています。
グリベックの有効性は、CMLでは血液学的および細胞遺伝学的効果および無増悪生存期間、GISTでは抗腫瘍効果に基づいています。生存期間延長が証明された対照比較試験はこれまでのところありません。
禁忌、警告および有害事象
GISTを対象としてグリベック投与中にみられた主な有害事象は、頭痛、悪心、嘔吐、下痢、消化不良、筋肉痛、筋痙縮/筋痙攣、関節腫脹、皮膚炎、湿疹、発疹、浮腫、体液貯留、好中球減少症、血小板減少症または貧血等でした。グリベックの第一選択薬としての試験であるIRIS試験における本剤の安全性は、他のCML患者を対象としたこれまでの第II相臨床試験での安全性と同様でした。有害事象はグリベックを投与した大半の患者で認められました。しかし、ほとんどが軽度ないし中等度であり、有害事象のために投与を中止した患者は慢性期で2%、移行期で3%、急性期で5%にとどまりました。主な副作用は悪心、表在性浮腫、筋痙攣、皮疹、嘔吐、下痢、出血、疲労感、頭痛、関節痛、咳、眩暈、消化不良、呼吸困難、好中球減少症、血小板減少症でした。グリベックは、イマチニブあるいはその他の含有成分に過敏症の既往歴がある患者には禁忌となっています。妊娠可能な女性に対しては、グリベック服用中は避妊するよう指導する必要があります。
上記の発表には、将来を見据えた記述が含まれています。グリベックに関する将来の新たな適応症または売上、長期投与による患者への影響等の明示的、暗示的考察もこれにあたります。このような将来を見据えた記述については、既知または未知のリスク、不確実性、その他の要因が内在しており、明示・暗示を問わずグリベックについて予想を踏まえて述べられた将来の結果、成績、成果と実現する結果が相当程度異なることも考えられます。どの国においても将来グリベックの追加適応症が確実に承認されるという保証はなく、将来の売上についても何ら保証されたものではありません。また、グリベックの長期使用による患者への影響についても保証されるものではありません。特にグリベックの販売に関する期待は、多数のリスクによって影響を受けます。例えば、臨床データの追加分析、新たな臨床データ、予期しない臨床試験結果、予期しない行政の決定や遅延あるいは規制、特許やその他の知的財産権の入手もしくは継続維持の可能性、一般的な競合関係、政府・業界・一般社会からの圧力などです。詳細については米国証券取引委員会に提出したForm-20-Fをご参照ください。このように不確実な要素や予見できないリスクなどにより、将来の結果が現在の予想と異なる場合があることをご了解ください。本リリースは、現時点で明らかな情勢をもとに発信するものであり、将来における情勢の変化などによりその内容を改訂することはありません。
ノバルティスについて
ノバルティス ファーマ株式会社は、スイス・バーゼル市に本拠を置く医薬品とコンシューマーヘルスの世界的リーダー、ノバルティスの医薬品部門の日本法人です。ノバルティス グループ全体の2005年の売上高は322億米ドル(約3兆5,433億円)、当期純利益は61億米ドル(約6,755億円)、研究開発費は48億米ドル(約5,330億円)でした。スイス・バーゼル市に本拠を置くノバルティスは、約96,000人の社員を擁しており、140カ国以上で製品が販売されています。www.novartis.com
*2005年の会計基準ベース
以上