プレスリリース

2006年6月15日

報道関係各位

ノバルティス ファーマ株式会社

ノバルティス(スイス)が現地時間6月10日および13日に発表しました新規糖尿病治療薬、ビルダグリプチンに関するリリースの日本語要約をお届けいたします。

ノバルティスの新規経口糖尿病治療薬「ビルダグリプチン」
(vildagliptin)に関する第III相臨床試験結果が米国糖尿病学会で発表

単剤および他の経口糖尿病治療薬との併用で、有意な血糖降下作用が示される

6月9日から13日までワシントンDCで開催された第66回米国糖尿病学会(ADA)年次総会において発表された複数の第III相臨床試験結果から、ノバルティスが開発中の2型糖尿病に対する新規経口糖尿病治療薬、ビルダグリプチン/vildagliptin(開発コード:LAF237、海外での販売名:Galvus® 注1))は他の一般的な経口糖尿病治療薬よりも副作用が少なく、かつ血糖値を効果的に低下させるとともに、1年以上にわたりヘモグロビンA1c(HbA1c: 血糖コントロールの長期的な評価指標)を有意に低下させることが明らかになりました。

ビルダグリプチンは、ノバルティスが開発中のジペプチジル・ペプチターゼ4(DPP-4)を阻害する新規作用機序を有する初めての薬剤です。今回発表された第III相臨床試験データでは、ビルダグリプチンは単剤または他の経口糖尿病治療薬との併用でHbA1cを統計学的に有意に低下させました。また、ビルダグリプチン投与患者群では、全般的に体重増加は認められず、ビルダグリプチン単剤投与では、低血糖や浮腫などの副作用の総発現頻度はプラセボ投与群と同程度でした。

さらに、ADA年次総会のLate Breakerセッションで発表された2つの第III相臨床試験の最新結果から、ビルダグリプチンは、特に血糖コントロール不良な患者さんにおいても顕著な血糖降下作用を示し、さらに肥満患者さんにおいて体重の減少をもたらすことも示されました。

同セッションで発表された2つの試験結果のうちの1つは、2型糖尿病患者さんにおけるビルダグリプチンとインスリン抵抗性改善剤であるチアゾリジン系(TZD)ピオグリタゾンとの併用を評価する6ヵ月間の臨床試験で、ベースラインのHbA1cが7.5〜11%であった患者さん592例を対象とし、4群を設けて評価しました。

この試験の結果、ビルダグリプチン100mgとピオグリタゾン30mgの併用投与群では、ピオグリタゾン単剤投与と比べて統計学的に有意なHbA1cの低下が認められました(1.9% vs. 1.4%、p< 0.001)。また、ADAにより規定されているHbA1cの目標値(7%以下)が達成された患者さんの割合は、単剤群では42%(ビルダグリプチン42.5%、ピオグリタゾン42.9%)であったのに対して、併用群では65%でした。

さらに、ベースラインのHbA1c値が極めて高かった(約10%)血糖コントロール不良の患者群においては、ビルダグリプチンとピオグリタゾンの併用によりHbA1cが最大2.8%低下しました。また、年齢65歳以上の男性グループにおいてはベースライン(8.4%)から平均2.3%、肥満度指数(BMI)が35以上の重度肥満患者グループではベースライン(8.6%)から平均2.2%の低下が認められました。

また同セッションで発表された、700例を対象としてビルダグリプチン(100mg/日)ともうひとつのインスリン抵抗性改善剤であるロシグリタゾン(8mg 1日1回)を直接比較した6ヵ月間の臨床試験の結果では、ビルダグリプチンはHbA1cを有意に低下させ(−1.1%)、ロシグリタゾンと同等の有効性を示しました。一方、ビルダグリプチン投与群では全体的に体重増加が認められなかったのに対し、ロシグリタゾン投与群では平均1.6kgの体重増加が認められました。また、ビルダグリプチンを投与された重度肥満患者さんでは、1kg以上の体重減少も認められました。浮腫の発現は、ビルダグリプチン投与群はロシグリタゾン投与群に比較して低いことが示されました。

今回のADA年次総会では、ビルダグリプチンに関して、Late Breakerセッションでの発表のほかに12の演題が発表されました。そのうち、特に注目されたのは以下の2つの臨床試験結果です。

◆ ビルダグリプチンとメトホルミンの併用とプラセボとの比較試験
糖尿病治療薬メトホルミンとビルダグリプチンの併用群とプラセボ投与群との比較試験では、併用群でHbA1cおよび空腹時血糖値が臨床的かつ統計学的に有意に低下しました。さらに、メトホルミンとビルダグリプチンの併用群は、メトホルミンとプラセボの併用群よりも消化管(GI)への副作用の発現頻度において有意に低値を示しました。

◆ 未治療の2型糖尿病患者さんに対するビルダグリプチンとメトホルミンの1年間の比較試験
ビルダグリプチンおよびメトホルミンの両投与群ともに、ベースラインと比較し臨床的かつ統計学的に有意にHbA1cを低下させ、この低下作用は1年間持続することが確認されました。一方、ビルダグリプチン投与群では、下痢、悪心、嘔吐および腹痛などのGIの副作用発現頻度が、メトホルミン投与群に比較して有意に低値を示しました(メトホルミン投与群43.7% vs. ビルダグリプチン投与群21.8%)

ノバルティス ファーマ社の開発部門責任者、ジェームズ・シャノン(James Shannon)は、「今回ADAで発表された複数のデータは、ビルダグリプチンが2型糖尿病をはじめとする生活習慣病の治療において重要な役割を果たすというノバルティスの信念を裏付けるものです。複数の第III相臨床試験プログラムにおいて、ビルダグリプチンが単剤あるいは他の糖尿病治療薬との併用のいずれにおいても、2型糖尿病の治療に効果的であり、血糖を長時間にわたってコントロールし、良好な忍容性を示すことが示されました。これらの試験で一貫して認められた臨床的に有意な血糖降下作用は患者さんにとって有望な結果であり、2型糖尿病の長期予後に起こりうる重篤な合併症の可能性を低減できると考えられます」と、述べています。

ビルダグリプチンについて
ビルダグリプチンは、DPP-4阻害薬として分類される薬剤で、ノバルティスによって開発されました。2型糖尿病において高血糖を生じさせる膵島機能不全は、膵α細胞のグルカゴンによる過剰な糖生成および、β細胞によるインスリン産生の低下をもたらします。ビルダグリプチンは、α細胞とβ細胞の両方を標的とし、肝臓による糖生成を低下させ、血糖コントロールに必要なインスリンの生成を増加させます。
ビルダグリプチンは、2006年初めに米国で承認申請を行いました。申請資料には世界中の4,300例以上を対象とした臨床試験のデータが含まれています。EUでの承認申請は2006年後半を予定しています。

ノバルティス ファーマ株式会社について

ノバルティス ファーマ株式会社は、スイス・バーゼル市に本拠を置くヘルスケアにおける世界的リーダー、ノバルティスの医薬品部門の日本法人です。ノバルティス グループ全体の2010年の売上高は506億米ドル、研究開発費は91億米ドル(減損・償却費用を除くと81億米ドル)でした。スイス・バーゼル市に本拠を置くノバルティスは、約121,000人の社員を擁しており、世界140カ国以上で製品が販売されています。詳細はインターネットをご覧下さい。http://www.novartis.co.jp/*2005年の会計基準ベース

以上

注1)商標名Galvus®は,現在規制当局(FDAを含む)の承認待ち

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