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2007年3月29日
報道関係各位
ノバルティス ファーマ株式会社
経口鉄キレート剤「エックスジェード®」を日本で承認申請
輸血による慢性鉄過剰症の治療において,頻回注射(既存薬剤)による治療が不適当な患者さんに、1日1回の経口投与によりQOLを大幅に改善できる可能性
ノバルティス ファーマ株式会社(代表取締役社長:馬場宣行)は、3月27日に経口鉄キレート剤「エックスジェード®」(一般名:デフェラシロクス)を、輸血による慢性鉄過剰症の治療薬として申請しました。承認されれば、日本で初めてかつ唯一の経口鉄キレート剤となります。
輸血は、再生不良性貧血、骨髄異形成症候群、βサラセミア及び鎌状赤血球貧血などの難治性貧血の患者さんにとって、QOL及び予後の改善に必要不可欠な支持療法です。
通常、人の体内では食物から摂取した鉄と代謝される鉄がほぼ同量で、体内の鉄量は一定に維持されています。しかし、輸血などにより多量に鉄を摂取した場合などに対し、積極的に鉄を排泄する機能が備わっていないため、輸血が繰り返し行われると過剰に鉄が蓄積され、鉄過剰状態となります。鉄の蓄積はゆっくり進行するため当初は無症状ですが、輸血回数が増加すると、肝の線維化、心筋線維の変性、心肥大など時として生命を脅かす危険性が増大し、心不全など患者の予後を左右する場合もあります。
現在、慢性鉄過剰症の治療法は、「デスフェラール®」(一般名:メシル酸デフェロキサミン)による除鉄治療のみで、頻回の輸血により体内に取り込んだ鉄を適切に除去するためには、連日の注射が必要です。日本ではこの治療を受けている患者さんは、2,500~3,000人と推定されていますが、多大な身体的負担のため、鉄過剰症が、重篤な症状を引き起こす原因となるにもかかわらず、多くの患者さんにおいて適切な除鉄治療は実施されてきませんでした。
ノバルティス ファーマ株式会社は、2006年7月28日に厚生労働省の未承認薬使用問題検討会で、「エックスジェード」が早期に開発すべき薬剤とされたことを受けて、できるだけ早く日本の患者さんに「エックスジェード」を供給できるよう検討を重ねてきました。
国内外で実施された試験結果から、βサラセミアや鎌状赤血球貧血、骨髄異形成症候群やその他の稀な貧血の治療として輸血を受けている患者さんの鉄量を、維持もしくは減少させたことが明らかとなりました。また、概ね良好な忍容性も示されたことにより、このたびの申請にいたりました。
今回の申請により、負担の重い連日の注射治療が不適当と判断される患者さんに、1日1回の経口投与という新しい治療の選択肢を提供できる可能性ができたことを大変うれしく思っています。
サラセミアについて:
ヘモグロビンを形成する4つのアミノ酸の鎖のうち単数または複数の産生が不均衡なために生じる遺伝性疾患。サラセミアの重症度はさまざまで、軽症型では、疲労を起こす貧血だけで他の症状はあまり見られない。一方、重症型は貧血の進行に伴い、黄疸、肝臓や脾臓の肥大、骨の異形を生じる。また、貧血への対症療法として赤血球輸血が行われるが、輸血に伴い鉄過剰が進行し、致死的な状況に至る。日本人では極めて稀。
鎌状赤血球貧血について:
鎌状赤血球貧血は遺伝疾患で、赤血球にあるヘモグロビンに異常が生じ、一部が鎌状の形に変形する。鎌状の赤血球は正常の赤血球と比較して寿命が短く、毛細血管の通過時に壊れてしまう。その結果、重度の貧血、血流の障害、酸素供給量の低下を引き起こす。痛みを引き起こし、細胞や組織(脾臓、腎臓、脳、骨など)に損傷を与える。貧血が進行した場合、特に疼痛を主とした臨床症状が出現した場合の対症療法として赤血球輸血が実施される。
日本人では極めて稀。
骨髄異形成症候群(MDS:Myelodysplastic Syndromes):
MDSは、末梢血では1または複数系統の血球減少がありながら骨髄は低形成ではなく、複数の血球系統に形態異常を認めるクロ-ン性疾患である。骨髄染色体検査で染色体異常を認めることが多く、無効造血による慢性の血球減少と前白血病状態を特徴とする。貧血の進行に伴い、対症療法として赤血球輸血が実施される。
日本における有病率は1998年の報告*1によると人口10万人に対し7.0人であり、一般に成人,特に高齢者に多くみられる疾患である。
*1 木村昭郎,骨髄異形成症候群(MDS),日本臨床, 59, Suppl 7, 504-511, 2001
再生不良性貧血(AA:Aplastic Anemia):
AAは、末梢血で複数系統の血球減少(汎血球減少症)がみられ、骨髄が低形成を示す疾患である。造血幹細胞の障害による疾患で、造血幹細胞自身に異常がある例と、主に免疫的な機序による造血幹細胞の障害が考えられる例がある。貧血の進行に伴い、対症療法として赤血球輸血が実施される。
日本における有病率は1993年の報告*2によると人口10万人に対し4.1人であり、小児を含めた全年齢層に発症し,本邦では50歳以上の高齢者に多くみられる疾患である。
*2 檀和夫,再生不良性貧血,日本臨床, 59, Suppl 7, 452-458, 2001
本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実は要素や予見できないリスクなどにより、将来の結果が現在の予想と異なる場合があることをご了解ください。
ノバルティス ファーマ株式会社について
ノバルティス ファーマ株式会社は、スイス・バーゼル市に本拠を置くヘルスケアにおける世界的リーダー、ノバルティスの医薬品部門の日本法人です。ノバルティス グループ全体の2006年の売上高は370億米ドル(約4兆2,943億円)で、当期純利益は72億米ドル(約8,354億円)、研究開発費は54億米ドル(約6,205億円)でした。スイス・バーゼル市に本拠を置くノバルティスは、約101,000人の社員を擁しており、世界140カ国以上で製品が販売されています。http://www.novartis.co.jp/
以上