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2008年9月10日
報道関係各位
ノバルティス ファーマ株式会社
ノバルティス(スイス)が発表したリリースの日本語訳(要約)をお届けします。
新しいクラスの直接的レニン阻害剤(DRI)アリスキレン
肥満の高血圧患者において利尿剤よりも有意な降圧効果を示す
2008年9月4日、バーゼル発-臨床試験データの新たな解析により、新しいクラスの直接的レニン阻害剤(Direct Renin Inhibitor:DRI)アリスキレン(製品名:米国ではTekturna®、それ以外ではRasilez®)が、肥満の高血圧患者さんにおいて、利尿剤ヒドロクロロチアジド(HCT)単独よりも有意に血圧を低下させることが確認されました1。
2008年度欧州心臓病学会(ESC: European Society of Cardiology)で発表された事後解析では、アリスキレン300mgを単独で使用した場合、座位収縮期血圧が平均で16.7mmHg低下したということが示されました。これに対し、HCTによる座位収縮期血圧の低下は平均で12.2mmHgでした。また、拡張期血圧の低下については、HCTの9.1mmHgに対してアリスキレンは12.3mmHgでした(p<0.001)1。
高血圧患者さんの70%以上が過体重か肥満(BMI≥30kg/m2)であることから、今回の肥満の高血圧患者さんに対する結果は意義があります4。肥満を伴う高血圧患者さんは、心血管疾患と腎臓疾患のリスクが高まっています6。なお、糖尿病の約58%、虚血性心疾患の約21%はBMIが21以上であることがわかっています7。
イタリアのフィレンツェにあるイタリア心臓病医協会研究センターのアルド・マッジオーニ教授(Professor Aldo Maggioni of the Italian Association of Hospital Cardiologists Research Center, Florence, Italy)は次のように述べています。「世界の高血圧患者さんの65%が血圧コントロールが不十分です。また、肥満症と糖尿病の有病率も上昇を続けていますので、そのような患者さんが血圧の目標値を達成する助けとなる新しい治療薬が絶対に必要です。アリスキレンは一般的な高血圧患者さんにおいて効果的な降圧作用を示しますが、今回のデータによると、肥満の高血圧患者さん、および腎臓疾患や糖尿病を合併している心不全の高血圧患者さんなどの難治性の高血圧患者さんにおいても、有効性があり忍容性も高いということが示されました」。
ESCでは、ALOFT(ALiskiren Observation of Heart Failure Treatment)試験の2つのサブグループ解析も発表されました。糖尿病の合併の有無に関わらず、アリスキレンを心不全患者さんの標準治療に追加投与した場合、心不全の重症度の指標である脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP: brain natriuretic peptide)が、プラセボに比べ、25%減少しました2。糖尿病と腎臓疾患を合併している(eGFR < 60 mL/min/1.73m2)慢性心不全の患者さんに対して、標準治療に追加投与した場合もアリスキレンの忍容性は良好でした2,3。
BNPは心臓壁への負荷によって心室から放出される物質です。血流中のBNP値は心不全の症状が悪化すると上昇し、安定すると低下します。
慢性心不全の患者さんは世界で約2,300万人にのぼります。慢性心不全の最大の危険因子は高血圧です5。血圧が適切にコントロールされれば、心不全や脳卒中の発症率をほぼ半分に、心臓発作を4分の3に減らすことが可能です8。
ノバルティスファーマ社のグローバル開発部門の責任者であるトレバー・ムンデル医学博士(Trevor Mundel,MD)は次のように述べています。「アリスキレンは単独で使用しても他の薬剤と併用しても、強力な降圧効果が24時間以上続きます。さらに、アリスキレンには心臓や腎臓などの臓器を保護する可能性があることが示されています。ALOFT試験とAVOID 試験(Aliskiren in the EValuation of PrOteinuria In Diabetes)のデータを含め、大規模臨床試験プログラムであるASPIRE HIGHERによる研究により、欧州におけるアリスキレンの添付文書内容を拡充できる方向となったのは喜ばしいことです」。
ASPIRE HIGHERは現在行われている心臓・腎臓の予後を確認するプログラムとしては世界最大であり、アリスキレンの心臓・腎臓の臓器保護作用の可能性を検証しています。
ASPIRE HIGHERに含まれる14の試験のうちすでに3つが報告されています。最近The New England Journal of Medicine (ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディスン誌)に掲載されたAVOID試験では、すでに最大用量の標準治療を受けていた高血圧と腎障害を合併した2型糖尿病患者さんにおいて、アリスキレンにより、腎障害の重要な指標の一つである尿中アルブミンがさらに20%減少しました9。
最近Circulation: Heart Failure (サーキュレーション誌)に掲載されたALOFT試験の結果によると、アリスキレンを心不全の標準治療に加えることにより、心不全の重症度を示すマーカーであるBNPが、標準治療に比べて有意に約5倍低下しました10。ALLAY試験(ALiskiren in Left VentriculAr HypertrophY)では、アリスキレンによって心血管イベントのリスク増大に関連のある左室肥大(LVH:left ventricular hypertrophy)が減少することが示されました11。ALLAY 試験では、アリスキレンとアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB:angiotensin receptor blocker)ロサルタンの併用投与群においてロサルタン単独投与群よりもLVHの数値が大きく減少しましたが、統計的に有意ではありませんでした11。
アリスキレンは2007年3月にTekturnaの製品名で米国で、2007年8月に、Rasilezの製品名で欧州で承認され、現在では55カ国で承認されています。アリスキレンの初の配合剤であるTekturna HCT®は2008年1月に米国で承認されました。アリスキレンはノバルティスによって発見され、スピーデル社との協力の下に開発された製品です。
ノバルティスは心血管疾患や代謝性疾患を患う何億人もの人々の生活を改善することに力を注いでいます。また、両疾患領域における約50年にわたる世界的リーダーとして、公衆衛生上の大きな問題となっている高血圧と糖尿病を治療するための革新的な医薬品と支援プログラムを提供しています。
ノバルティスのポートフォリオの中核は高血圧と糖尿病を治療するための循環器用剤です。その中には、世界で最も処方されているARB、始めて承認された唯一の直接的レニン阻害剤(DRI)、代表的な2つの高血圧治療薬による配合剤や新規DPP-4阻害剤などが含まれています。ノバルティスは、効果的な医薬品やプログラム、そして持続的な研究活動を通じて、心血管疾患と代謝性疾患の改善に向けた医師と患者さんの取り組みを支援しています。
本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、将来の結果が現在の予想と異なる場合があることをご了解下さい。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照下さい。
参考資料
ノバルティスについて
ノバルティスは、ヘルスケアにおける世界的リーダーです。ノバルティスグループ全体の2007年の売上高は381億米ドル(約4兆4,925 億円)で、当期純利益は65億米ドル(約7,717億円)、研究開発費は64億米ドル(約7,552億円)でした。スイス・バーゼル市に本拠を置くノバルティスは、約98,000人の社員を擁しており、世界140カ国以上で製品が販売されています。詳細はインターネットをご覧下さい。http://www.novartis.com
以上