プレスリリース

2009年1月14日

報道関係各位

ノバルティス ファーマ株式会社

ノバルティス(スイス)が発表しましたリリースの日本語訳(要約)をご参考までにお届けします。

エベロリムス、前治療が奏効しない
進行性胃がん患者さんに対する有望な試験結果が公表

  • エベロリムスは、投与開始から8週で、化学療法に無効となった進行性胃がん患者さんの55%で腫瘍増殖を抑制
  • 今回の有望なデータに基づき、進行性胃がん患者さんを対象とするエベロリムスの第III相臨床試験を実施予定
  • 胃がんはがんによる死亡原因として世界で2番目に多く、新規症例の多くが東アジア

2009年1月13日、バーゼル — 本日公開されたデータによると、エベロリムス(開発コード:RAD001)が、治療選択肢が限られている進行性胃がん患者さんの55%において腫瘍の増殖を抑制し、全体の45%の患者さんでは、腫瘍の縮小効果が見られたことが分かりました1

このデータは、1月15日(現地時間)に、2009年米国臨床腫瘍学会消化器がんシンポジウムにおいて発表される予定です。

この第II相試験は、日本で54例を対象に実施された、多施設・オープンラベル・単一アームの試験で、前治療を受けた後に疾患が増悪した進行性胃がん患者さんに対するエベロリムスの有効性および安全性を評価するようデザインされています。臨床試験には、日本人かアジア系で、多数の前治療を受けた患者さんが参加しています。

国立がんセンター東病院の大津敦 臨床開発センター長は、次のように述べています。「標準治療を行ったにも関わらず進行した胃がん患者さんに対する治療の選択肢は非常に限られています。この試験結果は、エベロリムスがこうした患者さんにとって有効な新しい選択肢になる可能性があることを示しています」。

この結果を受け、年内に、世界中で約500例の進行性胃がん患者さんを対象に、エベロリムス単独療法の有効性および安全性を評価する第III相臨床試験プログラムを開始する予定です。

ノバルティス オンコロジー事業部のエグゼクティブ・バイス・プレジデント兼グローバル開発責任者であるアレッサンドロ・リバ博士は、次のように述べています。「現在の治療に無効となった進行性胃がんの患者さんは、新たな治療の選択肢を切実に必要としています。今回の早期のデータは、エベロリムスが進行性胃がん患者さんに対して有益である可能性を示しており、さらに評価をしていく価値があると考えます。ノバルティスは、他の癌種のみならず、この治療の困難ながんに対するエベロリムスの可能性をさらに検証していきます」。

世界では毎年865,000人以上が胃がんで死亡しており、がんによる死亡原因の第2位2になっています。胃がんはアジア系人種での有病率が高く、全新規症例の半数以上が東アジアで認められています3。この地域で発症率が高い理由として、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染や、燻製食品、塩分の高い食品や漬け物を多く摂取することなどが一因になっていると考えられます4

試験の詳細

このプルーフ・オブ・コンセプト(POC)第II相試験は、前治療で病勢が進行した進行性胃がん(手術不能、再発、または転移性胃がん)患者さんにおいて、エベロリムス1日 10 mgを投与した際の有効性および安全性を評価するようにデザインされています。試験の主要評価項目は、病勢コントロール率(DCR:完全奏効/部分奏効/病勢安定)です。副次的評価項目は、客観的奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)およびエベロリムスの安全性プロファイルの評価でした。

平均治療期間は57日間で、治療開始8週間の時点で55%の患者さんにDCRが見られています(95%信頼区間:40.4%〜68.4%)。試験の評価対象となった患者さん53例のうち、29例(55%)に病勢の安定が見られ、22例(45%)で病勢が進行、2例で効果の確認ができませんでした。ORRは0でした。PFS中央値は83日間(95%信頼区間:50日〜91日)で、患者さんの29.6%には治療4カ月の時点で増悪が見られていないと推測されます。データ評価時には、全生存期間は中央値に達しませんでした。

治療に関連すると思われる有害事象で多く報告されたもの(患者の10%以上に見られた全グレードの有害事象)は、口内炎、食欲不振、倦怠感、発疹、嘔気、末梢浮腫、血小板減少、下痢、掻痒、貧血、味覚障害、嘔吐、発熱、肺炎、便秘、および不眠でした。重度の有害事象(患者の3%以上に見られたグレード3または4の有害事象)は、貧血、低ナトリウム血症、肝機能検査値上昇、倦怠感、口内炎、食欲不振、高血糖、低リン血症、イレウス、およびリンパ球減少でした。

エベロリムスについて

エベロリムスは、1日1回の経口投与で、mTORタンパク(がん細胞の分裂と血管新生の中心的制御因子)を持続的に阻害することで、がん治療に新たなアプローチを提供する薬剤です。現在、乳がん、腎細胞がん、神経内分泌腫瘍、リンパ腫などのがんに対する開発が進行中です。また、現在米国と欧州において、進行性腎細胞がんの治療薬として承認審査が行われています。

がん領域において、エベロリムスの安全性と有効性のプロファイルはまだ確立されておらず、がん領域で製品化されるという保証はありません。

以上

本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、将来の結果が現在の予想と異なる場合があることをご了解下さい。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照下さい。

ノバルティス ファーマ株式会社について

ノバルティス ファーマ株式会社は、スイス・バーゼル市に本拠を置くヘルスケアにおける世界的リーダー、ノバルティスの医薬品部門の日本法人です。ノバルティス グループ全体の2010年の売上高は506億米ドル、研究開発費は91億米ドル(減損・償却費用を除くと81億米ドル)でした。スイス・バーゼル市に本拠を置くノバルティスは、約121,000人の社員を擁しており、世界140カ国以上で製品が販売されています。詳細はインターネットをご覧下さい。http://www.novartis.co.jp/

参考文献

  1. Ohtsu, A et al. Multicenter phase II study of RAD001 for previously treated metastatic gastric cancer. Presented at the Society of Clinical Oncology’s 2009 Gastrointestinal Cancers Symposium, January 15, 2008.
  2. World Health Organization. Cancer. http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs297/en/. Accessed on December 23, 2008.
  3. Ohtsu, A. Chemotherapy for metastatic gastric cancer: past, present, and future. Publication. J Gastroenterol 2008; 43:256264.
  4. American Cancer Society. Overview: Stomach Cancer. Available at: http://www.cancer.org/docroot/CRI/content/CRI_2_2_2X_What_causes_stomach_cancer_40.asp?sitearea=. Accessed on December 23, 2008.

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