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2009年8月28日
報道関係各位
ノバルティス(スイス)が発表したリリースの日本語訳(要約)をご参考までにお届けします。
ノバルティスの「フェマーラ®」、術後療法として、タモキシフェンよりも
優れていることが「The New England Journal of Medicine」誌に掲載
2009年8月19日、スイス・バーゼル発—閉経後早期乳がん(ホルモン感受性)の患者さんに対する術後の「フェマーラ®(一般名:レトロゾール)」の5年投与は、タモキシフェンに比べ至適な治療法であることを立証するデータがThe New England Journal of Medicine誌で発表されました。
このデータは、国際乳がん研究グループ(International Breast Cancer Study Group: IBCSG)が実施したBIG 1-98試験の最新の解析結果です。手術後に「フェマーラ」とタモキシフェンを順次切り替えて合計5年間投与するシークエンシャル治療*が、「フェマーラ」5年間の単剤投与より優れているかを検討したシークエンシャル治療解析(Sequential Treatment Analysis: STA)の結果と、「フェマーラ」またはタモキシフェンの5年間単剤治療の有効性を検討した単剤治療群解析(Monotherapy Arms Analysis: MAA)の最新の結果も含まれています。
STA解析の結果、乳がんの手術後に5年間、タモキシフェンと「フェマーラ」を順次切り替えて投与するシークエンシャル治療は、術後5年間の「フェマーラ」単剤治療と比べ、無病生存の改善が認められなかったと結論付けられました。試験開始後10年の時点で実施したMAA解析によると、「フェマーラ」の単剤治療は、タモキシフェンの単剤治療に比べ、長期にわたる無病生存の有意な改善(P=0.03)と遠隔転移リスクの有意な減少(P=0.05)が明らかになりました。「フェマーラ」の単剤治療を受けた患者さんでは、タモキシフェンに比べ、死亡リスクが相対的に13%減少しました(P=0.08)。
コペンハーゲン大学病院腫瘍学教授で、BIG 1-98 試験の試験統括医のHenning T. Mouridsen 医学博士(Henning T. Mouridsen, MD, PhD, Professor of Oncology, Copenhagen University Hospital)は次のように述べています。「BIG 1-98試験の結果では、術後のレトロゾールによる5年間の治療によって、同期間のタモキシフェン治療に比べ全生存が改善したことが示唆されており、乳がんのアジュバント治療としてレトロゾールで治療を開始することが望ましいことが確認されました。レトロゾールは、タモキシフェンよりも遠隔転移リスクを早い段階から有意に減少し、無病生存を有意に改善し、全生存の改善を示唆する唯一のアロマターゼ阻害剤で、閉経後ホルモン陽性早期乳がん患者さんにベネフィットを提供します」。
シークエンシャル治療に関する解析(STA)
「フェマーラ」とタモシキフェンによるシークエンシャル治療群(タモキシフェンを2年間投与後「フェマーラ」を3年間投与、または「フェマーラ」を2年間投与後タモキシフェンを3年間投与)と、「フェマーラ」による5年間の単剤治療群を比較したものです。STAの解析結果(フォローアップ期間中央値:71カ月)から、シークエンシャル治療は、「フェマーラ」単剤治療と比較して、無病生存を改善しないと結論付けられました。STAにおけるこれら3群の5年無病生存率は、「フェマーラ」単剤治療群で87.9%、タモキシフェンを2年間投与後「フェマーラ」を3年間投与した群で86.2%、「フェマーラ」2年間投与後タモキシフェン3年間投与群では87.6%でした。
単剤治療群間解析(MAA)
MAAの最新の結果(フォローアップ期間中央値:76カ月)から、長期に渡る「フェマーラ」の有意な有益性が確認されました。このデータでは、術後の「フェマーラ」による5年間の単剤治療群では、タモキシフェンによる5年間の単剤治療群にくらべ、遠隔転移のリスクの有意な減少(15%、P=0.05)や、無病生存イベントの有意な減少(12%、P=0.03)が示されました。
また、この分析によって、術後の「フェマーラ」による5年間の治療は、術後のタモキシフェンによる5年間の治療に比べ、全生存率が改善する傾向(死亡リスク13%低下、P=0.08)が示されました。タモキシフェン単剤治療群には、タモキシフェンに対して「フェマーラ」の優位性が明らかになったことで盲検が2005年に解除された後、希望により「フェマーラ」の服用に切り替えた患者さんが約25%含まれていますが、それでもフェマーラが優位である結果が出ています1。この切り替えにより、レトロゾールとタモキシフェンの本来の差異を評価することが困難になったため、試験グループは、治験実施計画書には規定されていませんでしたが、薬剤を切り替えた時点で打切りとしたレトロスペクティブ解析(センサード解析)を実施しました。この解析は希望により「フェマーラ」に切り替えた患者さんの切り替え以降の時間や事象を解析から除外して解析を行っているものです。センサード解析では、「フェマーラ」による5年間の治療を受けた患者さんは、タモシキフェンによる5年間の治療を受けた患者さんに比べ、有意な全生存の改善(19%、ハザード比 0.81、95% CI:0.68~0.96)が認められました。論文の執筆者らによると、切り替え時点までがんが再発していない患者さんが切り替えの対象になっていたため、このデータの解析は「フェマーラ」の優位性を過大に評価している可能性もありますが、タモキシフェンと比べた相対的な死亡リスクの減少率は、これら2つの解析結果である13%と19%の間とみるのが、「フェマーラ」による全生存の改善に関する最も正確な評価と考えられます。
BIG 1-98試験は、乳がんの再発リスクを最小限に抑える上で最も有効な治療法を明らかにするため、アロマターゼ阻害剤またはタモキシフェンによる術後5年間の単剤治療および両剤を順次切り替えるシークエンシャル治療を直接比較し、調査するようデザインされた唯一の臨床試験です。「フェマーラ」は、イニシャルアジュバント治療として、フォローアップ期間中央値26、51、76カ月の時点で、早期からタモキシフェンよりも遠隔転移を有意に減少させることが一貫して実証されてきた唯一のアロマターゼ阻害剤です。
ノバルティスオンコロジー事業部のグローバル開発責任者であるアレッサンドロ・リバ博士(Alessandro Riva, MD, Global Head Oncology Development, Novartis Oncology)は次のように述べています。「『フェマーラ』は遠隔転移リスクを早期から有意に減少することが一貫して実証されてきた唯一のアロマターゼ阻害剤です。これらの試験結果に基づき、アジュバント治療として、『フェマーラ』による5年間の単剤治療を開始することで、乳がん患者さんがさらに良好な予後を得られる機会を提供できる可能性があります」。
試験の詳細
BIG I-98試験は、無作為化・二重盲検比較・第III相臨床試験で、27カ国の閉経後の早期乳がん患者さん8,000人以上を対象としたものです2。
患者さんは次の4つの群に無作為に割付けられています。
本試験は、無作為割付けの時点から、次のいずれかが最初に発生する時点までの無病生存を主要評価項目としています。
評価項目は他に、乳がん再発までの期間 、乳がんが遠隔部位に再発するまでの時間、全生存などがあります。
2005年、「フェマーラ」の単剤治療は無病生存の改善と再発リスクの低下の点でタモキシフェン単剤治療に勝るという結果が初めて明らかとなり、その後、タモキシフェン単剤治療群の盲検は解除されました。そのうちのおよそ4分の1の患者さんは希望によって「フェマーラ」投与へ切り替えられ、他の3群は盲検化されたままでした。この切り替えが「フェマーラ」の有効性にどの程度影響するかの評価を目的としてその後の解析が行なわれました。
本試験の開始から10年以上にわたって行われた長期フォローアップでは、「フェマーラ」とタモキシフェンの有害事象はこれまでの安全性プロファイルと一致しています。病状、安全性、全生存を追跡調査するため、患者さんについては今後生涯に渡り、観察が行われる予定です。BIG 1-98の長期にわたる知見が、「フェマーラ」の確立した安全性プロファイルに関する大量の臨床エビデンスに加わります。
以上
本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、将来の結果が現在の予想と異なる場合があることをご了解下さい。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照下さい。
ノバルティスについて
ノバルティスは、ヘルスケアにおける世界的リーダーです。革新的な新薬、高品質かつ安価なジェネリック医薬品、予防のためのワクチン・診断関連事業、そしてコンシューマー向けの一般用医薬品、コンタクトレンズ、動物用医薬品など、幅広い分野の製品を提供しています。ノバルティス グループ全体の2008年の売上高は415億米ドル、純利益は82億ドル、研究開発費は72億米ドルでした。スイス・バーゼル市に本拠を置くノバルティスは、約99,000人の社員を擁しており、世界140カ国以上で製品が販売されています。詳細はインターネットをご覧下さい。http://www.novartis.com
参考文献: