ページ内を移動するためのショートカット

2010年3月18日
報道関係各位
ノバルティス ファーマ株式会社
心血管リスクを有する耐糖能異常(IGT)患者において
バルサルタンが2型糖尿病への進行を抑制
- NAVIGATOR試験の結果で明らかに -
2010年3月14日、スイス・バーゼル発 — 9,000名以上が参加した高血圧治療薬バルサルタンのランドマーク試験であるNAVIGATORの結果によると、心血管疾患または心血管リスクのある耐糖能異常(IGT)患者さんにおいて、バルサルタンが2型糖尿病への進行を遅らせることが明らかになりました。
2001年に開始されたNAVIGATOR(Nateglinide And Valsartan in Impaired Glucose Tolerance Outcomes Research)試験の最初のデータが、本日、米アトランタで開催された米国心臓病学会(ACC)で発表され1、同時に米国医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(New England Journal of Medicine)のオンライン版にも掲載されました2,3。この試験では、心血管疾患または心血管リスクを有するIGT患者さんにおいて、バルサルタンまたは経口糖尿病治療薬のナテグリニドが糖尿病への進行を抑制することができるかどうか、また、心血管イベントの発症率を抑制することができるかどうかが検討されました。
米ノースカロライナ州ダーハムにあるデューク・トランスレーショナル医学研究所の所長であり、デューク大学医学部臨床研究担当副総長(Vice Chancellor for Clinical Research at Duke University School of Medicine and Director of the Duke Translational Medicine Institute, Durham, NC, USA)のロバート・カリフ博士(Dr. Robert Califf)は次のように述べています。「肥満と高血圧は世界的な疾患であり、患者さんの多くがIGTを示しています。多くの研究により、IGTの患者さんは2型糖尿病および心血管疾患のリスクが増加していることが知られています。患者さんに対して、ほんの5%体重を減らすだけで転帰を改善することができることを強調する一方で、糖尿病と心血管疾患の発症率を下げることができる薬物療法を探し続けることが大切です」。
本試験に参加したIGTや心血管疾患などの危険因子を有する患者さんには、基礎治療および本試験で特有に規定された生活習慣改善プログラムとともに、バルサルタンが少なくとも5年間投与されました。その結果、糖尿病の新規発症リスクに関して、バルサルタン群は非バルサルタン群に比べ14%統計学的有意に減少しました1,2。心血管イベントの発症に関しては、非常に良好に管理された患者さんにおいて、バルサルタン群と非バルサルタン群で有意差はありませんでした。一方、ナテグリニドは、この試験に参加された患者さんにおいて、ナテグリニド群と非ナテグリニド群で糖尿病または心血管イベントの発症抑制に関して有意差はありませんでした1,3。
ノバルティス ファーマ社のグローバル開発部門の責任者であるトレバー・ムンデル医学博士(Trevor Mundel, MD)は次のように述べています。「循環器・代謝領域のグローバルリーダーとして、ノバルティスは糖尿病に対する公衆衛生と政策の発展に尽力しています。当社はNAVIGATORの知見が、バルサルタンの多くの科学的情報に更に追加されるということを非常に喜ばしく思っています」。
糖尿病の全世界における有病率は2030年までに50%増加し、患者数は2億8,500万人から4億3,900万人になるものと予想されています4。IGTは糖尿病発症に至るひとつの過程であると定義されており5、空腹時血糖値異常(IFG)とIGTの患者さんの最大70%が、生涯のうちに2型糖尿病になる可能性が高いとされています6。アメリカ糖尿病協会(ADA)、アメリカ内分泌学会/アメリカ臨床内分泌科医協会、および世界保健機関(WHO)の現行のガイダンスでは、生活習慣の改善を基本とした上で、前糖尿病状態を管理するためのさまざまな介入が推奨されています7,8,9。
英オックスフォード大学糖尿病・内分泌科学・代謝センターの糖尿病医学教授(Professor of Diabetic Medicine at the Oxford Centre for Diabetes, Endocrinology & Metabolism, University of Oxford, United Kingdom)であるルリー・ホルマン博士(Dr Rury Holman)は次のように述べています。「糖尿病予防には、まずは生活習慣の改善が大切であるということに変わりはありません。NAVIGATORの結果は、生活習慣改善プログラムにバルサルタンの投与を追加することで、心血管リスクが高いIGTの患者さんにおいて、糖尿病への進行を遅らせることができるということを示しています」。
ノバルティスは本試験の結果について、バルサルタンの適応症変更を視野に、米食品医薬品局(FDA)と話し合う予定です。バルサルタンは、現在、高血圧の治療、心不全の治療および、心臓発作(心筋梗塞)を経験した患者さんの心血管死のリスク低減に対する適応が認められています*。ナテグリニドは、成人の2型糖尿病における血糖管理改善のための食事療法と運動療法に対する補助という適応が認められています。バルサルタンもナテグリニドも、現在、IGTの患者さんの治療には適応は認められていません。
本試験について
NAVIGATOR は、39カ国の約800施設で実施された、プロスペクティブな多国共同無作為化二重盲検プラセボ対照2×2要因試験です。この試験に登録された9,306例はIGTを示し、かつ心血管疾患と診断された50歳以上、もしくは高血圧、心疾患の家族歴、高コレステロール血症、喫煙などの危険因子を一つ以上持つ55歳以上の患者さんでした。基礎治療および本試験に特有の生活習慣改善プログラムに加え、患者さんはバルサルタン、ナテグリニド、両剤の併用およびプラセボに無作為割り付けされました2,3。
NAVIGATOR には、3つの主要評価項目がありました。最初の評価項目は、WHO/ADAの標準的基準によって定義されている顕性糖尿病への進行(新規糖尿病発症)でした。第2の評価項目(コア心血管複合エンドポイント)は、心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、または心不全入院などが最初に起こるまでの時間の複合でした。第3の評価項目(拡大心血管複合エンドポイント)は、コアとなる心血管評価項目に血行再建術、および不安定性狭心症による入院を含めたものでした。健康状態についての追跡期間中央値は6.5年でした2。
バルサルタンに関するNAVIGATORの主要な結果は以下の通りです1,2。
バルサルタンは1日1回、最大160mgまで投与されました。本試験の過程においては、バルサルタン群で556名(12%)、非バルサルタン群で531名(11%)が有害事象を理由に試験を中止しました。バルサルタン群で最も多かった有害事象は低血圧でした。ナテグリニドは1日3回、最大60mgまで投与されました。本試験の過程においては、ナテグリニド群で520名(11%)、非ナテグリニド群で485名(10%)が有害事象を理由に試験を中止しました。ナテグリニド群で最も多かった有害事象は低血圧関連事象と低血糖でした2,3。
本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。従って、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、将来の結果が現在の予想と異なる場合があることをご了解下さい。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm 20-Fをご参照下さい。
ノバルティスについて
ノバルティスは、ヘルスケアにおける世界的リーダーです。革新的な新薬、高品質かつ安価なジェネリック医薬品、予防のためのワクチン・診断関連事業、そしてコンシューマー向けの一般用医薬品、コンタクトレンズ、動物用医薬品など、幅広い分野の製品を提供しています。ノバルティス グループ全体の2009年の売上高は443億米ドル、研究開発費は75億米ドルでした。スイス・バーゼル市に本拠を置くノバルティスは、約100,000人の社員を擁しており、世界140カ国以上で製品が販売されています。詳細はインターネットをご覧下さい。http://www.novartis.com
参考文献