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2010年6月14日
報道関係各位
ノバルティス ファーマ株式会社
ノバルティス(スイス)が発表しましたリリースの日本語訳(要約)をご参考までにお届けします。
「アフィニトール®」、小児と成人における結節性硬化症による
SEGA脳腫瘍を初めて縮小
米国臨床腫瘍学会で発表
2010年6月5日、バーゼル発 - 本日、「アフィニトール®」(一般名:エベロリムス)が、結節性硬化症(TS: tuberous sclerosis)に起因して発生する良性脳腫瘍である脳室上衣下巨大細胞性星状細胞腫(SEGA: subependymal giant cell astrocytomas)を縮小させることを初めて示した第II相臨床試験の結果が発表されました1,2。第46回米国臨床腫瘍学会(ASCO: American Society of Clinical Oncology)年次総会で発表されたこの試験では、同試験に参加した28名の患者さんの75%において、治療開始から6ヵ月の時点で、ベースラインから30%以上の脳腫瘍の縮小がみられました(p<0.001)1。
エベロリムスは、血管内皮成長因子(VEGF: vascular endothelial growth factor)を標的とした分子標的療法による治療中または治療後に進行した転移性腎細胞癌の患者さんの治療薬として「アフィニトール」という販売名で承認*されています。
結節性硬化症(TS)は、さまざまな重要な臓器に腫瘍が発生する遺伝性疾患です。患者数は米国で2万5,000人から4万人、世界では100万人から200万人と推定されています3。TSに起因する腫瘍は、どの臓器にも発生することがありますが、一般的には、脳、腎臓、心臓、眼、肺、皮膚などにみられます3。症状は多くの場合、痙攣発作、精神発達遅滞、自閉症、問題行動、腎臓や皮膚の異常などとして現れます3。
SEGAはTSの患者さんの5%から20%に発生しますが、そのほとんどが小児と青年期の患者さんであり、脳の重篤な腫脹や水頭症を引き起こす恐れがあります1,2。SEGAが増殖しつつある患者さんにとって、現在は手術が唯一の治療選択肢となっています1。SEGAの増殖が確認されている患者さんが参加した今回の臨床試験結果では、エベロリムスの投与によりSEGAの有意な縮小がみられ、エベロリムス服用中に新たな手術を必要とした患者さん、あるいは新たなSEGAが発生した患者さんはみられませんでした。
これらのデータに基づき、ノバルティスは、TSに起因するSEGAの治療薬として米食品医薬品局(FDA)にエベロリムスを承認申請しました。米国では、エベロリムスはTS治療薬として、患者数が全米で20万人以下の疾患の治療薬として開発されるオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)に指定されています4,5。
ノバルティス・オンコロジーのプレジデントであるエルベ・オプノーは次のように述べています。「私たちは、TSに起因するSEGAの患者さんの治療に、初めて承認された薬をお届けできることを願っています。エベロリムスは世界的な規模で開発プログラムを実施していますが、その一環として、TSに対するエベロリムスの影響を評価する第III相試験のEXIST試験を開始しました」。
結節性硬化症は、腫瘍細胞の分裂、血管新生、細胞代謝、および神経細胞中の細胞配向の調節における中心的存在であるmTORタンパク質を抑制的に作用するTSC1/TSC2遺伝子の変異により引き起こされます3,6。エベロリムスは、このタンパク質のシグナル伝達経路におけるmTORの作用を阻害することにより、腫瘍の成長を阻害し、水頭症などの脳での腫瘍の増殖により発現する症状を抑制することを可能にします1,7。
第II相試験について
オープンラベル方式で行われたこの第II相臨床試験では、SEGAの増殖が確認されている3歳以上の患者さん28名(年齢中央値=11歳、年齢範囲=3-34歳)を対象に、エベロリムス3 mg/m2/日を経口投与(1日1回または隔日)しました。全血液トラフ濃度5-15 ng/mLを達成するため、安全性を確認し、用法用量の調整が引き続き行われました。治療期間の中央値は21.5ヵ月で、主要評価項目はベースラインから6ヵ月時点(患者さんが6ヶ月目以前に治療を中止した場合は、直近の評価における)でのSEGA病変体積の縮小でした。独立中央判定機関の評価の結果、患者さんの75%(28名中21名)において、ベースラインから6ヵ月でSEGA体積が30%以上縮小したことが示され、主要評価項目が達成されました(p<0.001)1。
また、エベロリムスが、全般的痙攣発作頻度の低下に臨床的に関与したという知見も示されています(p=0.022)。本試験の開始時点で痙攣発作がみられ、脳波記録ビデオのあった16名の患者さんのうち、9名で痙攣発作頻度の低下がみられ、6名は変化なし、1名で頻度上昇がみられました(変化の中央値:-1.0、 p=0.022)。連日痙攣発作がみられる患者さんの割合も、治療開始時の26名中7名から、6ヵ月の時点では2名と明らかに低下しました(介助者の観察による)1。
本試験におけるエベロリムスの安全性プロファイルは、同剤による過去の試験と同様でした。最も多かった有害事象(≥10%)は、口内炎または口内痛(79%)、上部呼吸器管感染症(79%)、副鼻腔炎(39%)、中耳炎(36%)、発熱(36%)、痙攣 (25%)、座瘡様皮膚炎(25%)、下痢(25%)、蜂巣炎(21%)、嘔吐(21%)、白癬または真菌感染症(18%)、咳(18%)、頭痛(18%)、性格の変化(18%)、発疹(18%)、接触性皮膚炎(14%)、めまい(14%)、胃腸炎(14%)、外耳炎(14%)、アレルギー性鼻炎または鼻道炎(14%)、皮膚炎(14%)、座瘡(11%)、便秘(11%)、乾皮症(11%)、胃感染(11%)、高トリグリセリド血症(11%)、皮膚障害(11%)、白血球減少症(11%)などでした。グレード3の有害事象は、痙攣 (7%)、口内炎(4%)、副鼻腔炎(4%)、嘔吐(4%)、めまい(4%)、白血球減少症(4%)、肺炎(4%)、異物の誤嚥(4%)、ウイルス性気管支炎(4%)、周期性好中球減少症(4%)、睡眠時無呼吸症候群(4%)、歯の感染症(4%)などでした。グレード4では痙攣が1例報告されています。
EXIST 試験について
TSの治療におけるエベロリムスの可能性をさらに探索するため、EXIST (EXamining everolimus In a Study of TS)という名称の第III相試験が2本開始され、現在患者さんの登録を行っています8,9。
このうちEXIST-1試験は、SEGAの患者さんの腫瘍の縮小と、TSが関与して起きる痙攣発作や皮膚の異常にエベロリムスが及ぼす影響を評価するものです8。EXIST-2試験は、TSまたは孤発性リンパ脈管筋腫症(LAM)に関連して起きる腎血管筋脂肪腫に対するエベロリムスの有効性を評価するものです9。腎血管筋脂肪腫は、腎臓の血管、筋肉、腎脂肪に発生する良性腫瘍であり、TSの患者さんに広く認められます3,10。これらの試験は、現在、世界11ヵ国(オーストラリア、ベルギー、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ポーランド、ロシア、英国、米国)で患者さんの組み入れを実施中です8,9。なお、日本はEXIST-2試験に参加しています。
EXIST 試験など様々な腫瘍を対象とするエベロリムスの臨床試験についての詳しい情報(医療関係者用)はwww.theWIDEprogram.comで入手できます。
参考文献
本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、現在の予想と異なる場合があることをご了解下さい。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照下さい。
ノバルティスについて
ノバルティスは、ヘルスケアにおける世界的リーダーです。革新的な新薬、高品質かつ安価なジェネリック医薬品、予防のためのワクチン・診断関連事業、そしてコンシューマー向けの一般用医薬品、コンタクトレンズ、動物用医薬品など、幅広い分野の製品を提供しています。ノバルティス グループ全体の2009年の売上高は443億米ドル、研究開発費は75億米ドルでした。スイス・バーゼル市に本拠を置くノバルティスは、約100,000人の社員を擁しており、世界140カ国以上で製品が販売されています。詳細はインターネットをご覧下さい。http://www.novartis.com
以上