プレスリリース
2011年7月28日
報道関係各位
ノバルティス ファーマ株式会社
ノバルティス(スイス)が発表しましたリリースの日本語訳(要約)をご参考までにお届けします。
ノバルティスの「アフィニトール®」、
進行性膵内分泌腫瘍の治療薬としてEUにおける承認勧告を取得
- 第III相試験で「アフィニトール®」は膵原発の進行性神経内分泌腫瘍(膵内分泌腫瘍:pNET)の患者さんの疾患進行を有意に遅らせることが示される1
- これまで治療の選択肢が限られていた進行性膵内分泌腫瘍の新たな標的療法になる可能性1,2,3,
- 米国における同適応での「アフィニトール」の承認に次ぐ承認勧告
世界各国で進行性神経内分泌腫瘍を適応として承認申請が進行中
2011年7月22日、スイス・バーゼル発 - ノバルティスは本日、欧州医薬品庁(EMA)のヒト用医薬品委員会(CHMP)が、切除不能又は転移性の高・中分化型膵内分泌腫瘍の患者さんの治療薬として、EUにおける「アフィニトール®」(一般名:エベロリムス)の承認を支持する肯定的意見を採択したことを発表しました。承認された場合、「アフィニトール」は、膵内分泌腫瘍の患者さんにとって初めてのmTOR阻害治療薬となります。
ノバルティス オンコロジー事業部プレジデントのエルベ・オプノーは、次のように述べています。「今回のEUにおける承認勧告は、難治性で治療選択肢が限られている進行性膵内分泌腫瘍の患者さんにとって、重要なマイルストーンとなります。私たちは、この肯定的意見が承認につながり、患者さんに新たな標的治療として提供できることを期待しています」
この承認勧告は、進行性膵内分泌腫瘍の患者さんを対象としたRADIANT-3(RAD001 In Advanced Neuroendocrine Tumors)第III相試験のデータに基づくものです。同試験では、エベロリムスによる治療がプラセボと比較して無増悪生存期間を2倍以上に延長し(中央値4.6カ月から11.0カ月)、がんの進行リスクを65%減少させることが明らかになりました(ハザード比=0.35、95%信頼区間 0.27〜0.45、p<0.001)。エベロリムス治療群では、過去化学療法を受けたことのない患者さんも含めて、すべてのサブグループで、一貫して無増悪生存期間の改善が認められました1。
「アフィニトール」は、腫瘍細胞増殖、血管新生、細胞代謝の制御において重要な役割を果たすmTORタンパクを標的としています4。前臨床および臨床データでは、進行性膵内分泌腫瘍の増殖や進行にmTORが関連していることが示されています1,4。
欧州委員会は、通常CHMPの勧告に従い、勧告から3カ月以内に最終的な決定を行います。この決定は、EUの全27加盟国およびアイスランドとノルウエーに適用されることになります。
pNET(膵内分泌腫瘍)について
神経内分泌腫瘍は、身体機能を調節するさまざまなホルモンを生成・分泌する細胞から生じる腫瘍です5。神経内分泌腫瘍には多くの種類があり、身体のどの部位にも発生しますが、多くは消化器、膵臓、肺によくみられます6,7。膵島細胞腫瘍とも呼ばれる膵内分泌腫瘍は、通常膵臓がんや膵外分泌がんと呼ばれているがんとは異なる、稀ながんです3,8。
進行性膵内分泌腫瘍の患者さんの約60%は、すでにがんが身体の他の部位に広がり、治療がさらに困難な進行した状態で診断されます2,3。こうした患者さんの5年生存率は27%となっています6。
RADIANT-3試験について
RADIANT-3は、進行性膵内分泌腫瘍(別名:膵島細胞腫瘍)の患者さんを対象に、「アフィニトール」とベスト・サポーティブ・ケア群と、プラセボとベスト・サポーティブ・ケア群とを比較した場合の有効性と安全性を検証した、第III相・前向き・二重盲検・無作為化・並行群間・プラセボ対照・多施設共同試験です。本試験は、低〜中悪性度の進行性膵内分泌腫瘍で、本試験の参加基準を満たした患者さん410名を対象としており、「アフィニトール」(10 mg)1日1回投与群(207名)またはプラセボ群(連日経口投与・203名)に1:1の割合で無作為割り付けされました。この試験には、日本の医療機関からも40名の患者さんが参加しています。RADIANT-3の主要評価項目は、無増悪生存期間です1。
本試験における「アフィニトール」の安全性プロファイルは、本剤の添付文書およびこれまでに実施された試験のプロファイルと一致していました。「アフィニトール」投与群で最も頻回に観察された有害事象(全グレード 20%以上)は、口内炎/口腔粘膜炎/潰瘍(口内炎・アフタ性口内炎・口腔内潰瘍形成・舌潰瘍を含む「アフィニトール」群の64%に対しプラセボ群で17%)、発疹(49% vs. 10%)、下痢(34% vs. 10%)、疲労感(31% vs. 14%)、感染症(23% vs. 6%)、悪心(20% vs. 18%)、末梢性浮腫(20% vs. 3%)、食欲減退(20% vs. 7%)で、グレード1または2が最も多く見られました。グレード3や4の有害事象(5%以上)には、口内炎/口腔粘膜炎/潰瘍(口内炎・アフタ性口内炎・口腔内潰瘍形成・舌潰瘍を含む「アフィニトール」群の7%に対しプラセボ群0%)、貧血(6% vs. 0%)、高血糖(5% vs. 2%)です。「アフィニトール」の投与期間の中央値は、プラセボよりも2.3倍長くなりました(「アフィニトール」38週間に対し、プラセボ16週間)1。
「アフィニトール®」について
「アフィニトール®」は、日本で根治切除不能又は転移性の腎細胞癌の患者さんの治療薬として2010年1月に承認、4月に発売されています。
【効能又は効果】根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
<効能又は効果に関連する使用上の注意>
- スニチニブ又はソラフェニブによる治療歴のない根治切除不能又は転移性の腎細胞癌に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない。
- 本剤の術後補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない。
参考資料
- Yao, et al. Everolimus for Advanced Pancreatic Neuroendocrine Tumors. New Eng J Med 2011;364:514-23.
- Halfdanarson, et al. Pancreatic neuroendocrine tumors (PNETs): incidence, prognosis and recent trend toward improved survival. Annals of Onc 19: 1727-1733, 2008.
- National Library of Medicine and the National Institutes of Health. Pancreatic islet cell tumor. Available at http://www.nlm.nih.gov/medlineplus/ency/article/000393.htm. Accessed April 2011.
- Motzer, et. al. Phase 3 Trial of Everolimus for Metastatic Renal Cell Carcinoma. Cancer 2010 Sep; 116(18):4256-4265.
- National Library of Medicine and the National Institutes of Health. Neuroendocrine Tumor. Available at http://www.cancer.gov/dictionary/?CdrID=44904. Accessed April 2011.
- Yao, et al. One Hundred Years After "Carcinoid:" Epidemiology of and Prognostic Factors for Neuroendocrine Tumors in 35,825 Cases in the United States. Journal of Clinical Oncology. June 20 2009; vol. 26, number 18.
- American Cancer Society Detailed Guides. Gastrointestinal Carcinoid Tumors. Available at http://www.cancer.org/acs/groups/cid/documents/webcontent/003102-pdf.pdf. Accessed April 2011.
- American Cancer Society Detailed Guides. Pancreatic Cancer. Available at http://www.cancer.org/acs/groups/cid/documents/webcontent/003131-pdf.pdf. Accessed April 2011.
免責事項
本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、現在の予想と異なる場合があることをご了解下さい。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照下さい。
ノバルティス ファーマ株式会社について
ノバルティス ファーマ株式会社は、スイス・バーゼル市に本拠を置くヘルスケアにおける世界的リーダー、ノバルティスの医薬品部門の日本法人です。ノバルティス グループ全体の2010年の売上高は506億米ドル、研究開発費は91億米ドル(減損・償却費用を除くと81億米ドル)でした。スイス・バーゼル市に本拠を置くノバルティスは、約121,000人の社員を擁しており、世界140カ国以上で製品が販売されています。詳細はインターネットをご覧下さい。http://www.novartis.co.jp/