
目次
**〔2010年6月改訂(第9版)〕
*〔2009年11月改訂(薬事法改正に伴う「指定医薬品」の規制区分の廃止)〕
骨吸収抑制剤
*劇薬、処方せん医薬品
(注意-医師等の処方せんにより使用すること)
ゾレドロン酸水和物注射液
日本標準商品分類番号 873999
| 承認番号 | 22000AMX01613000 |
|---|---|
| 薬価収載 | 2008年12月 |
| 販売開始 | 2005年1月 |
| 国際誕生 | 2000年8月 |
| 効能追加 | 2006年4月 |
| 品名 | ゾメタ点滴静注用4mg |
|---|---|
| 成分・含量 | 1バイアル5mL中ゾレドロン酸水和物4.264mg(ゾレドロン酸として4.0mg) |
| 添加物 | D-マンニトール 220.0mg クエン酸ナトリウム 24.0mg 注射用水 適量 |
| 性状 | 無色澄明の液 |
| pH | 5.7~6.7 |
| 浸透圧比 (生理食塩液に対する比) |
約1 |
1.悪性腫瘍による高カルシウム血症
2.多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変
1.悪性腫瘍による高カルシウム血症
通常、成人にはゾレドロン酸として4mgを日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液(5%)100mLに希釈し、15分以上かけて点滴静脈内投与する。なお、再投与が必要な場合には、初回投与による反応を確認するために少なくとも1週間の投与間隔をおくこと。
2.多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変
通常、成人にはゾレドロン酸として4mgを日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液(5%)100mLに希釈し、15分以上かけて3~4週間間隔で点滴静脈内投与する。
1.軽症(血清補正カルシウム値12mg/dL未満)の高カルシウム血症患者では、補液による治療が効果不十分で症状の改善がみられないなど本剤の投与が必要と判断される場合に投与すること。
2.悪性腫瘍による高カルシウム血症患者に本剤を再投与する場合、初回投与と同様に4mgを点滴静脈内投与すること。〔日本人で4mgを超えた用量の再投与及び3回以上の投与の使用経験がない。〕
3.腎機能障害患者では、血漿中濃度が増加するので、高カルシウム血症の治療に用いる場合を除き、腎機能の低下に応じて、下表のとおり投与量を調節すること。
| クレアチニンクリアランス(mL/分) | ||||
|---|---|---|---|---|
| >60 | 50-60 | 40-49 | 30-39 | |
| 推奨用量 | 4mg | 3.5mg | 3.3mg | 3.0mg |
重篤な腎障害のある患者〔腎機能が悪化するおそれがある。多発性骨髄腫及び固形癌骨転移患者で血清クレアチニンが3.0mg/dL以上、悪性腫瘍による高カルシウム血症患者で血清クレアチニンが4.5mg/dL以上の患者での十分な使用経験がないので、このような患者に対しては状態を観察しながら慎重に投与すること。〕
(1)がん治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ使用すること。
(2)本剤の各投与前に腎機能検査(血清クレアチニン、BUN等)を行うこと。また、本剤投与後は定期的に腎機能検査(血清クレアチニン、BUN等)を行うこと。本剤投与後に腎機能が悪化した場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
(3)多発性骨髄腫及び固形癌骨転移患者において本剤を継続投与する場合、投与前に腎機能障害のある患者では、血清クレアチニンが投与前値から1.0mg/dL以上、腎機能が正常な患者では、血清クレアチニンが投与前値から0.5mg/dL以上上昇した場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
(4)本剤投与後は、血清カルシウム、リン、マグネシウム、カリウム等の変動に注意すること。本剤投与により、低カルシウム血症が投与後4~10日目頃に出現する可能性があるので、血清カルシウム値には特に注意すること。なお、多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変を有する患者に対しては、必要に応じてカルシウム及びビタミンDを補給させるよう指導すること。
(5)臨床症状(テタニー、手指のしびれ等)を伴う低カルシウム血症があらわれた場合にはカルシウム剤の点滴投与が有効である。
**(6)本剤を含むビスホスホネート系薬剤による治療を受けている患者において、投与経路によらず顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがある。報告された症例の多くが抜歯等の歯科処置や局所感染に関連して発現している。リスク因子としては、悪性腫瘍、化学療法、コルチコステロイド治療、放射線療法、口腔の不衛生、歯科処置の既往等が知られている。
本剤の投与にあたっては、患者に対し適切な歯科検査を受け、必要に応じて抜歯等の顎骨に対する侵襲的な歯科処置を投与前に済ませるよう指示するとともに、本剤投与中は、歯科において口腔内管理を定期的に受けるとともに、抜歯等の顎骨に対する侵襲的な歯科処置はできる限り避けるよう指示すること。また、口腔内を清潔に保つことや歯科受診時に本剤の使用を歯科医に告知するなど、患者に十分な説明を行い、異常が認められた場合には、直ちに歯科・口腔外科に受診するよう注意すること。 →使用上の注意改訂のお知らせ(2010年6月改訂)
(7)多発性骨髄腫及び固形癌骨転移患者において本剤を投与する場合、化学療法あるいは内分泌療法等の抗癌療法と併用することが望ましい。
併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
| カルシトニン製剤 カルシトニン エルカトニン サケカルシトニン |
血清カルシウムが急速に低下するおそれがある。注) | 相互に作用を増強する。 |
| アミノグリコシド系抗生物質 ゲンタマイシン等 |
長期間にわたり血清カルシウムが低下するおそれがある。注) | 相互に作用を増強する。 |
| シナカルセト | 血清カルシウムが低下するおそれがある注) | 相互に作用を増強する。 |
| サリドマイド | 外国において腎機能不全が発現したとの報告がある。 | 相互に作用を増強する。 |
悪性腫瘍による高カルシウム血症
国内での臨床試験26例中22例(84.6%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。そのうち臨床症状が17例(65.4%)、臨床検査値異常は13例(50.0%)に認められた。主な臨床症状は、発熱14例(53.8%)、低リン酸血症3例(11.5%)、低カリウム血症2例(7.7%)等であった。また、臨床検査値異常の主なものは、血中リン酸塩減少7例(26.9%)、尿中β2-ミクログロブリン増加4例(15.4%)、血中カリウム減少2例(7.7%)等であった。
外国における2つの第II相比較試験(本剤4mg、8mg又はパミドロン酸二ナトリウム90mgを投与した二重盲検比較試験)において本剤4mg投与群86例中18例(20.9%)に副作用が認められた。主な副作用は、発熱6例(7.0%)、低カルシウム血症5例(5.8%)、低リン酸血症3例(3.5%)等であった。
多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変
国内での臨床試験(乳癌骨転移患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験)において本剤4mg投与群114例中71例(62.3%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主な副作用は、発熱48例(42.1%)、嘔気15例(13.2%)、けん怠感15例(13.2%)、頭痛13例(11.4%)、骨痛10例(8.8%)、関節痛8例(7.0%)等であった。また、臨床検査値異常の主なものは、尿中β2-ミクログロブリン増加7例(6.1%)、β-Nアセチル-D-グルコサミニダーゼ増加6例(5.3%)等であった。
外国における4つの臨床試験(固形癌骨転移及び多発性骨髄腫患者を対象とした二重盲検比較試験)において本剤4mg投与群1,099例中387例(35.2%)に副作用が認められた。主な副作用は、骨痛100例(9.1%)、発熱79(7.2%)、嘔気64例(5.8%)、疲労45例(4.1%)、インフルエンザ様症状40例(3.6%)等であった。
1)急性腎不全:急性腎不全等の腎障害(1%~10%未満)があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
2)うっ血性心不全(浮腫、呼吸困難、肺水腫)(頻度不明):輸液過量負荷によりうっ血性心不全(浮腫、呼吸困難、肺水腫)があらわれることがあるので、このような場合には、適切な処置を行うこと。
3)顎骨壊死・顎骨骨髄炎(頻度不明):顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
| 頻度不明 | 5%以上 | 0.1%~5%未満 | |
|---|---|---|---|
| 血液系 | 血小板減少、白血球減少、汎血球減少 | - |
貧血 |
| 過敏症注) | 紅斑性皮疹、斑状皮疹、血管神経性浮腫、蕁麻疹 | - |
紅斑、水疱、皮疹、湿疹、そう痒 |
| 代謝及び栄養 | 低マグネシウム血症、高ナトリウム血症 | 低リン酸血症 | 低カルシウム血症、低カリウム血症、高カリウム血症 |
| 精神 | 不安、睡眠障害、錯乱、幻覚 | - |
- |
| 神経系 | 錯覚感、知覚過敏、振戦、傾眠 | 頭痛 | 浮動性めまい、味覚異常、感覚減退 |
| 眼 | 霧視、ブドウ膜炎、上強膜炎、強膜炎、眼窩の炎症(眼窩浮腫、眼窩蜂巣炎等) | - |
結膜炎、結膜充血 |
| 心臓 | 徐脈、低血圧、高血圧 | - |
- |
| 呼吸器系 | 咳嗽 | - |
呼吸困難 |
| 胃腸 | 消化不良、口内乾燥 | 嘔気 | 下痢、便秘、腹痛、食欲不振、嘔吐、口内炎 |
| 肝胆道系 | - |
肝機能異常(AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP増加) | - |
| 筋骨格系 | 全身痛 | 関節痛、骨痛 | 関節硬直、筋肉痛、筋硬直、背部痛 |
| 腎及び尿路 | - |
尿中β2-ミクログロブリン増加 | 血尿、多尿、蛋白尿、血中尿素増加、血中クレアチニン増加、β-Nアセチル-D-グルコサミニダーゼ増加 |
| 全身障害及び投与局所様態 | 注射部位反応(疼痛、刺激感、腫脹、硬結)、体重増加、多汗、インフルエンザ様疾患 | 発熱、けん怠感 | 脱力、疲労、浮腫、末梢性浮腫、胸痛、疼痛、悪寒、口渇 |
注)このような場合は投与を中止すること。
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、減量するなど慎重に投与すること。
(1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。〔妊娠動物(ラット)への本剤の皮下投与によって、催奇形性、妊娠後期・分娩期の母動物の死亡が報告されている。〕
(2)ビスホスホネート系薬剤は骨基質に取り込まれた後に全身循環へ徐々に放出されるので、妊娠する可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ投与すること。〔全身循環への放出量はビスホスホネート系薬剤の投与量・期間に相関する。ビスホスホネート系薬剤の中止から妊娠までの期間と危険性との関連は明らかではない。〕
(3)授乳中の婦人には、授乳を中止させること。〔類薬のパミドロン酸二ナトリウムにおいて、動物実験(ラット)で母乳中へ移行することが報告されている。〕
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
本剤の過量投与により著明な低カルシウム血症を起こす可能性がある。このような症状があらわれた場合には、カルシウム剤を投与するなど、適切な処置を行うこと。
(1)投与速度: 15分間以上かけて点滴静脈内注射すること。(「警告」の項及び【用法及び用量】の項参照)
(2)外観に異常を認めた場合には使用しないこと。
(3)カルシウム及びマグネシウムを含有する点滴用液と混合しないこと。
(4)調製後は24時間以内に使用すること。
調製後すぐに使用しない場合は、2~8℃に保存し、使用する前に室温に戻してから使用すること。
(5)腎機能障害患者の推奨用量毎の調製方法
用量3.5mgの調製
1バイアル5mLから4.4mLを量り、日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液(5%)100mLに希釈する。
用量3.3mgの調製
1バイアル5mLから4.1mLを量り、日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液(5%)100mLに希釈する。
用量3.0mgの調製
1バイアル5mLから3.8mLを量り、日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液(5%)100mLに希釈する。
悪性腫瘍骨転移患者にゾレドロン酸4mgを15分間静脈投与したとき、血漿中濃度は以下のように推移した(n=10)。

| 用法・用量 | Cmax(ng/mL) | AUC0-24h(ng・h/mL) |
|---|---|---|
| 4mg15分間投与 | 426±101 | 576±130 |
ゾレドロン酸は静脈内投与したとき、ほとんど代謝を受けずに腎排泄される。
悪性腫瘍骨転移患者(9例)及び悪性腫瘍による高カルシウム血症患者(19例)にゾレドロン酸4mgを15分間静脈内投与したとき、初回投与後24時間までに投与量の32.6%及び16.0%が未変化体として尿中に排泄された。
1.国内臨床成績3)
悪性腫瘍による高カルシウム血症患者を対象とした臨床試験において、本剤4mg点滴静注により、主要評価項目である投与後10日目までの血清補正カルシウム値の正常化率は、84.0%(25例中21例)を示した。なお、本剤投与後10日目までに血清補正カルシウム値が10.8mg/dL以下に低下することを正常化と定義した。
2.外国臨床成績4)
悪性腫瘍による高カルシウム血症患者におけるパミドロン酸二ナトリウムを対照とした二重盲検比較試験において、本剤4mg点滴静注により、主要評価項目である投与後10日目までの血清補正カルシウム値の正常化率は、88.4%(86例中76例)を示し、パミドロン酸二ナトリウムの正常化率69.7%(99例中69例)と比較して有意(p<0.001)に高かった。なお、本剤投与後10日目までに血清補正カルシウム値が10.8mg/dL以下に低下することを正常化と定義した。
1.国内臨床成績5)
乳癌骨転移患者におけるプラセボを対照とした二重盲検比較試験において、SRE(骨関連事象:病的骨折、骨病変に対する放射線治療、骨病変に対する外科的手術、脊髄圧迫)発現割合は、本剤4mg群で30%を示し、プラセボ群の50%と比較して、有意(p=0.003)に低く、本剤4mgはSREの発現を抑制した。
2.外国臨床成績
(1)乳癌骨転移及び多発性骨髄腫患者におけるパミドロン酸ニナトリウム90mgを対照とした二重盲検比較試験において、SRE発現割合は、本剤4mg群で44%、パミドロン酸ニナトリウム90mg群で46%を示し、差の95%信頼区間の上限3.7%は規定した非劣性マージンである8%を下回り、本剤4mgはパミドロン酸二ナトリウム90mgに劣らないことが検証された。6)
(2)乳癌又は前立腺癌以外の固形癌骨転移患者におけるプラセボを対照とした二重盲検比較試験において、最初のSREが発現するまでの期間の中央値は、本剤4mg群で230日を示し、プラセボ群の163日と比較して有意(p=0.023)に長く、本剤4mgはSREの発現を延長させた。7)
(3)前立腺癌骨転移患者におけるプラセボを対照とした二重盲検比較試験において、SRE発現割合は、本剤4mg群で33%を示し、プラセボ群の44%と比較して有意(p=0.021)に低く、本剤4mgはSREの発現を抑制した。8)
甲状腺・副甲状腺摘出ラットを用いた活性型ビタミンD3誘発高カルシウム血症モデルにゾレドロン酸を皮下投与したとき、用量依存的に血清カルシウム濃度を低下させる。
ゾレドロン酸はマウス頭蓋冠培養系において、各種カルシウム遊離促進剤によるマウス頭蓋冠からのカルシウム遊離を用量依存的に阻害する。9)ゾレドロン酸は乳癌細胞及び骨髄腫細胞の骨転移モデルにおける溶骨性病変を抑制する。10,11)
ゾレドロン酸の骨吸収阻害作用の主な機序は、破骨細胞のアポトーシス誘導12)及び機能喪失13)であると考えられる。

ゾメタ点滴静注用4mg 1バイアル(5mL)
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(12)
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