MSL:アンメットメディカルニーズを探り、それを満たすデータ創出につなげたい。

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メディカル本部 循環器・代謝メディカルフランチャイズ部 循環器・代謝リエゾングループ2

薬学部 創薬科学専攻 博士了 2015年入社


疾患領域の治療の質を高め、製品価値の最大化を図る

MSL(メディカルサイエンスリエゾン)は担当疾患領域における治療に影響力のある医師とサイエンスの観点からディスカッションし、製品価値の最大化を図る役割を担っています。疾患におけるアンメット・メディカル・ニーズ(未だ満たされていない医療ニーズ)や医師の治療に対する考え方を聞き出すとともに、疾患領域における最新トピックスなどの情報提供を行います。また、医師が集まる講演会の企画・運営や、専門的な見地から助言を得るためのアドバイザリーボードの開催も役割の一つです。私は循環器・代謝領域の医師を担当しています。出張の機会も多いのですが、メールや電話等で連絡を取り合い、グループ内で密に情報共有を図っています。

日本においてMSLの活動はまだ歴史が浅いのですが、最近は医師の間にその存在や活動内容が浸透してきました。ノバルティス ファーマも加盟している業界団体の一つEFPIA Japan(欧州製薬団体連合会)では、2017年10月にMSLの活動に関するガイドラインを発表しています。営業活動とは一線を画すことがその主眼となっていて、医師との面会でMRが同席することはありません。製品のプロモーションを行うことは禁止されており、MSLの評価基準も製品の売上と連動させてはいけないことになっています。私たちが行うのはあくまでサイエンスの観点からのディスカッションです。疾患領域の治療の質を高め、患者さんに合った適切な治療方法について医師とディスカッションできるのは、大きなやりがいだと感じています。


医療に貢献したいという思いが、形になった瞬間

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私は母が薬局に勤務していた関係で、子どもの頃から医療に貢献したいという思いがありました。大学院では薬物動態に関する講座に所属し、代謝酵素の個人差要因について遺伝子レベルで解析する研究をしていました。研究が楽しく博士課程まで進みましたが、より臨床に近い現場で医療に貢献したいという思いが強く、製薬会社での就職を選択。開発職に就くつもりだったのですが、ノバルティス ファーマの説明会で初めてMSLの存在を知り、博士課程で学んだサイエンスのバックグラウンドを活かしながら仕事ができることから興味を持ちました。ノバルティス ファーマは革新的な医薬品をコンスタントに上市しており、サイエンスレベルの高い人材がそろっていて、MSLの仕事をするには最高の環境が整っていると感じました。

入社当初、なんのために医師とディスカッションするのか、その目的を自分でうまく定めることができなかったのですが、グループのメンバーや上司のアドバイスもあり、中長期的な目標と短期的な目標を整理し、それを日々の行動に落とし込むことができるようになりました。入社3年目となった2017年10月、担当している医師を座長とする全国講演会を開催することができたことは、大きな成長の証です。全国から集まった医師約100人を前に、冒頭、座長の医師から講演会の主旨について発言があったのですが、それは患者さんの治療の質を高めると同時に、私たちの製品の価値をも高める内容のもので、大きな達成感を味わうことができました。医療に貢献したいという私の入社時の思いが形となった瞬間です。


グローバルに意思決定している部署で活躍してみたい

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仕事をするうえで心がけていることは、面会前の徹底的な準備です。医師は多忙であり、貴重な時間を割いてくださっています。医師にとっても有益なディスカッションとなる必要があり、このMSLと会ってよかったと思っていただくことが大切です。ノバルティス ファーマが扱う製品に関する最新情報は必ずアップデートする一方、最新の学術論文にも目を通し、多忙な医師に対して的確な情報提供ができるようにしています。また、医師の治療に対する考え方を知るために、医師の関わった過去の論文を読んだり、出身大学、勤務してきた病院、親しい医師などを把握したりしておくことも重要です。1人の医師との面会時間は、盛り上がれば1時間ということもありますが、短い時はわずか10分のこともあります。10分で何を聞き出し、何を伝えるか。事前の準備ですべてが決まるといっても過言ではないでしょう。

今後取り組みたいことは二つあります。一つは医師とのディスカッションを通して、担当している疾患領域におけるアンメット・メディカル・ニーズがどこにあるのかを探り、それを満たすデータ創出につなげていくことです。もう一つは海外での経験を積むこと。ノバルティスでは国際共同治験が多く行われており、海外での開発が先行しているものも少なくありません。グローバルに意思決定している部署で、何か仕事をしてみたいと思っています。幸いメディカル本部では、グローバルで活躍する人材を育成しようとしていて、派遣するプログラムもあります。いずれ私もそのプログラムに手を挙げてみたいと考えており、ネットを使った英語学習に取り組んでいるところです。グローバルに活躍するフィールドが広がっており、チャレンジしようとする意思を持つ人には、またとない環境にあるといえるでしょう。