ヘレン・ハンラハン(Helen Hanrahan)さんは、フォーマルなイベントに招待された後、仲間の乾癬患者に向けThe Flaky Fashionista(カサカサ肌のおしゃれ女子)というブログを立ち上げました。伝統的な背中の開いた肩紐のないドレス以外のドレスを必要としていた彼女は、インターネットを検索したもののふさわしいドレスを見つけられず、皮膚に症状を持つ人が何を着ればよいかについてのよいアドバイスを見つけることもできませんでした。この経験が、皮膚の症状に負けないことを心に決めている彼女のような読者に向けて記事を書くというハンラハンさんの気持ちを強くさせました。
乾癬は、角質が銀白色に積み重なり、盛り上がった紅斑として皮膚に現れる慢性の自己免疫性疾患です。全世界で1億2,500万人以上の人が、このつらく苛立たしい症状を患っており、炎症や重度の不快感、さらには社会的・精神的な問題に何年も苦しめられています1。そのはっきりとした乾癬の皮膚症状とは裏腹に、患者さんが肌を服などで隠すためにその症状は目につかない場合が多いのです。
「乾癬は私を定義づけるものではありません」と、ハンラハンさんは言います。「でも、この15年間、家族の休暇は、人に見られずに日光浴できる十分高い位置にバルコニーがある部屋を見つけられるかどうかで決まっていました。肌をさらすのが恥ずかしいのでプールにも海にも入りません。人にじろじろ見られるのは嫌でしょ」
理解不足
多くの人が乾癬についてよく理解していません。乾癬が伝染病だと思っている人さえいます。正常な皮膚のターンオーバーは4週間ですが、乾癬皮膚では3-4日と短縮しています2。この細胞が剥がれ落ちる前に皮膚の表面に積み重なることで強い刺激や炎症につながります。科学技術の進歩に伴いようやくこの疾患についての理解が進み、新たな新薬の可能性が拓かれています。しかしながら、患者さんの多くは、乾癬の症状を管理し、制約のある生活を送り、できる限りのことをして何とか人生を送っているということに他なりません。
ノバルティスのスキン・インプレッション・キャンペーン(Skin Impressions Campaign) は、乾癬のような慢性的な皮膚疾患とともに生活することがどのようなことであるかを紹介するとともに、人々が自信を取り戻し、本当の意味で暮らしやすい肌になるための努力をサポートすることを目指しています。
ニューヨークに住み、そこで働くプロダンサーでバレリーナの22歳のメリッサさんは、幼い時から乾癬を患っています。
乾癬は彼女の人生に苦しみを与えてきたものの、彼女はこの疾患が彼女の存在のほんの小さな一部分にすぎないと考えています。
「3歳の頃、私の体の90%以上が紅斑に覆われていました」と、メリッサさんは言います。「そのせいで私と踊りたくないというパートナーがいて、多くの困難を経験しました。私自身が頑張ってよいダンサーに成長したので、今では私の皮膚の状態に関係なくみんなが私と踊りたいと思っています」
メリッサさんはかつて、冬と比べて長袖・長ズボンで肌を隠すことが難しい春と夏を恐れていました。
ハンラハンさんも同意します。「私がファッションブログを立ち上げた理由は、まさに乾癬とともに生活しようとしている私のような人のための服が全然ないからです」
「私は外に出かけたかったのですが、ちょうどいい服が必要でした。乾癬を持つ人は家の中に引きこもりがちなので、自分の病気に気がめいったり、屈辱を感じたり、元気がなくなるのも無理はありません。私はこの病気に関することで、何か明るく前向きなことをしようと決心しました」
うつ病や不安神経症のリスク
乾癬患者の最大30%が、ひどい痛みを伴い、関節の損傷につながることもある乾癬性関節炎と診断されています。また、乾癬は、糖尿病、心疾患、うつなど、その他の重篤な疾患とも関連しています3。
悪いニュースは、完治のための治療法が存在せず、既存の治療薬では皮膚を完全にきれいにすることができないということです。皮膚科医や皮膚の専門家の多くは、皮膚の紅斑が約70%消失すれば“理想的”であると考えていますが、患者にとってこれは十分ではありません。
しかしながら、研究は進んでおり、より効果的な治療薬が見いだされようとしています。
ハンラハンさんにとって、こうした治療薬の登場が早すぎるということはありません。そして、彼女は自身の症状とうまく付き合っていかなければならないことを受け入れるべきであるという見方を拒否しています。
「私の目標は100%きれいな肌です。それ以下のものはまったく望んでいません」と、彼女は言います。「私は自分が完治すると常に信じてきました」
メリッサさんのストーリーはビデオ*をご覧ください。
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