子どもたちが病気やがんについて知るきっかけ、志を持つきっかけづくりを提供したい

Jul 10, 2023

固形腫瘍領域シニアエコシステムリード
大山由紀子

生涯のうち2人に1人はかかると推測されているがん。がんに対する正しい知識と認知は、“健康に関する国民の基礎的教養として身に付けておくべきもの” であるとして、厚労省と文科省が子供たちへのがん教育をスタートしています。私たち製薬メーカーの社員も、がんで苦しむ方や、そのご家族を一人でも減らしたいという気持ちは一緒。そこでノバルティスでも、従来、子どもたちへのがん教育に貢献すべく、活動してきました。その活動を通じて知ったのが「キャリアチャレンジデイ*」という取り組み。コロナ禍で職場体験ができなくなった中学生に、これからの「生き方」について考える機会を提供するオンラインの授業企画でした。


この企画を知ったとき、直感的に従来と違う形でがんについて知り、考えて頂くきっかけになると思いました。なぜなら、キャリアチャレンジデイ*は、単なる会社の紹介ではなく、社会での役割、そこで働く社員の価値観と必要な能力を紹介することをコンセプトとしていたからです。健康な社会をつくっていきたい、という私たち社員の強い意志とともに、なぜ病気について知る必要があるのか、中学生の皆さんが今日からできることは何か、それは、皆さんの未来にどうつながるのか、ぜひ伝えたいと思いました。

協力・応援してくれる社員の姿に、共通の価値観を実感

とはいえ、社内で実施した前例がないこの企画。最初は、戸惑う反応の方が多かったですが(笑)、なぜこの企画を我々がやるべきなのか、話していくうちに、驚くほど多くの社員が協力してくれて、応援しています、と声をかけてくれました。

今回、ノバルティスの社会的役割を説明するため、そして、子供たちに知ってほしいがんとして選んだ題材は、メラノーマ(悪性黒色腫)。ほくろのがんです。10万人に1~2人という希少がんのため、積極的に疾患啓発を行う製薬会社はありません。なぜ中学生に?なぜメラノーマ?戸惑って当然ですよね。そこで、取組みの意義を2つのポイントから力説しました。

ひとつめは、メラノーマという疾患に携わる会社としての責任を果たしたいということ。日本ではメラノーマと診断されるタイミングが諸外国より遅いことが分かっています。現状困っている患者さんがいるなら、自分たちにできることから始めるべきではないかと伝えました。

もうひとつは、子どもたちへのがん教育です。メラノーマは、その多くが目に見える、つまり、周りが気づいてあげやすい稀有ながんです。知識があれば、大切な人を守れるということを実感できる。子どもたちに、がんを知ることって大切なんだって思ってもらえる。このイベントは、参加する中学生たちにとってがんについて考えるきっかけになるはずだ、と。

ノバルティスは確かに製薬会社ですが、薬が売れればそれでいい、とは誰も考えていません。がんで苦しむ方をひとりでも減らしたい、ともにがんと闘いたい、そう思って仕事をしています。実際にこの企画を一緒に運営してくれる仲間を募ったとき、多くの方が応募してくれて。全員に参加頂くことは難しく、6名で企画を進めましたが、ノバルティスの社員が共通の価値観を持っていることを実感しましたね。

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530通もの子どもたちからの手紙
心に届くがん教育と、仕事への認識の変化に感動

子供たちに届けるメッセージは、プロジェクトメンバー6名で、何度も練り直し、キャリアチャレンジデイ*の事務局の方々にも、間違った伝わり方をしないかアドバイスを頂きながら最終化し、9校、810名の中学生にメッセージを届けることができました。

講義が終わって、子どもたちから530通ものお手紙をいただきました。感動しましたね。印象的だったのは、がんに関するコメントが数多くあったこと。「周囲が気づいてあげられるがんがあることを知れて良かった」「ほくろのがんについて、早速、友達・家族に話してみた」そうです。子供たちの心に届くがん教育ができたとしたら、これほど嬉しいことはありません。

加えて、「仕事はお金を稼ぐための手段だと思っていたけど、それだけじゃなかった」というコメントの多さにも感激しました。仕事は、自分の志を形にする手段のひとつ、だから、自分が興味を持ったこと、やりたいと思ったこと、誰かの役に立ちたいと思ったことに向き合ってみよう・・・そんな風に思う中学生がひとりでも増えれば、日本の社会がもっと強くなる気がして。私たちが少しでもそのきっかけを提供できたなら、やってよかったと心から思います。

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次回以降も参加できたらと考えています。子どもたちが、病気やがんに関心を持つきっかけ、そして、何かを志すきっかけになればいいなと思います。子どもたちにとって、どうしたら価値のある時間になるのかを考えていきたいですね。

* ©キャリアリンク株式会社


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