ノバルティス、 新型コロナウイルス感染症への広範にわたる対策を発表:新型コロナウイルス感染症の影響を受けている地域社会支援に2,000万ドルのグローバル基金を設立
この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2020年3月17日(現地時間)に発表した内容を日本語に翻訳・要約したものです。資料の内容および解釈については英語が優先されます。英語版はhttps://www.novartis.comをご参照ください。
- 新型コロナウイルス感染症の影響が大きい地域社会を支援するために、最大100万ドルの助成金を提供する「ノバルティスCOVID-19対策基金」を設立
- ビル&メリンダ・ゲイツ財団、Wellcome*、ならびにマスターカード(Mastercard)が支援する「新型コロナウイルス感染症療法論アクセラレーター」の共同研究開発活動への参画や、革新的医薬品イニシアティブ **(IMI)のパートナーシップに参加
- 必須医薬品の価格安定性を維持し、患者さんと医療システムを強力にサポートするサンドのコミットメント
- 社員の健康を確保し、患者さんを第一に考えた医薬品の安定供給、そして臨床試験の円滑な運営に継続的に注力
2020年3月17日、スイス・バーゼル発-
ノバルティスは本日、世界保健機構(WHO)がパンデミックと宣言した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する世界各国の対応を支援するため、広範にわたる対策を発表しました。これらの対策には、COVID-19により影響を受けた世界中の地域社会を支援するグローバル基金の創設、業界を横断する2つの主要な研究開発(R&D)活動への参加が含まれます。
ノバルティスは創設した「ノバルティスCOVID-19対策基金」を通じて、COVID-19の感染拡大を克服するため地域社会が取り組む公衆衛生上の施策を支援するために、2,000万ドルの助成金を提供します。これと同時に、一件につき最大100万ドルの助成金の提供を円滑に進めるため、承認プロセスの迅速化を目的としたグローバル評価プロセスを確立しました。本基金は、中堅国や新興国、さらには発展途上国の地域への支援を対象としており、ノバルティス企業を通して申請を受け付けています。本基金は、以下の分野に焦点を当てた (ただし、これらに限定されない)取り組みに対して資金援助を行うことを目指しています。
- 医療従事者の補充に向けた資金確保、医薬品および医療機器の調達を含む、地方および国の医療インフラの強化
- 新型コロナウイルス感染症の関連データの収集、遠隔医療の提供、および重要な公衆衛生情報の効果的な発信のためのデジタル・プラットフォームの確立
- パンデミック対応に特化した新たな地域保健プログラムの立案または強化
ノバルティスの最高経営責任者(CEO)のヴァサント・ナラシンハン(Vas Narasimhan)は、次のように述べています。 「現在、世界はこれまでに経験したことのない公衆衛生上の危機に直面しており、政府、社会、企業が既存の枠にとらわれずに一丸となって、力を結集することが求められています。私たちは140カ国以上に医薬品を販売する企業として、COVID-19がもたらす喫緊の課題である公衆衛生上のニーズに対応できるよう、地域社会や国の重要な取り組みに資金的援助を提供してまいります。また、業界全体で協力することの重要性を踏まえ、企業の枠組みを超えて国際的規模で推進している先進的かつ重要な2つの研究開発活動に、ノバルティスの研究開発部門で活躍する研究者を送り込んでいます」
研究開発への協力
ノバルティスは、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、Wellcome、Mastercardが共同で支援する「新型コロナウイルス感染症療法論アクセラレーター(COVID-19 Therapeutics Accelerator)」や、革新的医薬品イニシアティブ (IMI)が運営する「COVID-19特定パートナーシップ(COVID-19 directed partnership)」などの新しい共同研究にも参画しています。どちらも業界を超えた共同研究で、複数の製薬会社と専門的な学術機関が共同研究プログラムに参加し、組織の壁を超えて、最も有望な分子を迅速に開発することを目指しています。また、欧州製薬団体連合会(EFPIA)から新型コロナウイルス感染症の研究開発の緊急要請を受け、ノバルティスは、インビトロ抗ウイルス試験に適していると考えられる、いくつかの化合物を自社の研究施設から確保できるようにしています。さらに、パンデミックに対応するために、承認された適応症を超えて使用できる製品がないかどうか、既存の製品の評価を迅速に進めています。
患者さん・医療機関・システムへの支援
今月初め、ノバルティスのジェネリックおよびバイオ後続品部門であるサンドは、新型コロナウイルス感染症の治療に役立つ可能性のある必須医薬品、具体的には新型コロナウイルスの影響を軽減する抗ウイルス薬と肺炎に効く抗生物質の価格の安定化を、業界に先駆けてコミットしました。
ノバルティスは、世界中の社員と患者さんの健康と安全を最も重要と位置づけ、世界的なパンデミックの動向を注視しています。現在、ノバルティスは世界中の患者さんと医療従事者に自社の医薬品を継続的に提供しています。安定供給を担保するための施策や在庫管理を徹底し、サプライチェーンに混乱が起こることがないよう努めています。また、継続的な薬剤供給と500を超える臨床試験の円滑な運用を確保するための対策も発動しています。社員の健康を守る取り組みの一環としては、ノバルティスの欧州、米国、カナダの全社員は、研究所、製造現場、現場で働く従業員を除き、2020年3月16日 (月) から在宅勤務による勤務形態に切り替えています。また、医療専門家や顧客への訪問だけでなく、社内での協働・連携を推進するために、デジタルを駆使したツールの利用を強化しています。
日本国内でのノバルティス ファーマの活動について***
日本のノバルティスグループは、グローバルの方針に従い、社員とその家族の健康と安全の確保を最重要と位置づけ、その上で、患者さんが必要とする医薬品を確実にお届けすることに注力します。日本国内で販売している弊社製品において、現時点で通常通りの供給体制を維持し、安定供給に努めています。
社内での対応としては、2月に入り、全社員にマスクを配布し、感染予防対策として手洗いや咳エチケットを励行し、通勤についても混雑時を避ける時差出勤を推奨してまいりました。また、2月15日の当局の記者会見を受け、外勤社員の医療機関などへの訪問については、施設の規制や要請に基づいた活動の徹底に努めてまいりました。
これらの取り組みに加え、2月27日より、全社として以下の対応を実施しております。
- 日常の就業形態は原則テレワーク(在宅勤務)
- 医療機関への不要不急の訪問活動の自粛
- 研究会・講演会・セミナーなどの当社主催または共催イベント(3月末までに予定されているもの)を原則中止・延期
- 医学会の学術大会等への社員参加を当面の間、原則禁止
- 日本からの海外出張ならびに海外からの日本出張の原則禁止
*イギリスに本拠地を持つ医学研究支援等を目的とする公益信託団体
** 官民パートナーシップを通じてより安全で有効な医薬品開発の迅速化を図るため、欧州共同体及び欧州製薬団体連合会により2008年に設立される
***日本国内の状況を追記しています