WHOのSolidarity trial(連帯試験)に関するノバルティスの最新情報
この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2020年5月27日(現地時間)に発表した内容を日本語に翻訳・要約したものです。
資料の内容および解釈については英語が優先されます。英語版はhttps://www.novartis.comをご参照ください。
2020年5月27日、バーゼル発 ― 2020年5月25日、世界保健機関(WHO)は、Solidarity trial(連帯試験)のうちヒドロキシクロロキンの臨床試験*を一時中断すると発表しました。この決定は、医学誌The Lancet1に発表された、COVID-19の入院患者に対するヒドロキシクロロキンおよびクロロキンの効果に関する分析結果に一部基づくものです。ノバルティスは、この既存の多国籍レジストリデータの後ろ向き観察研究に注目しており、メディカル部門において論文で報告された知見を評価しています。
現時点において、COVID-19患者におけるヒドロキシクロロキンの医学的エビデンスは予備的なものです。後ろ向き観察研究は、設計上、関連性のみを示し、因果関係を示すことができません。この薬剤は現在、複数の大規模・小規模臨床試験で研究されています。ヒドロキシクロロキンの有効性とリスクを完全に評価するには、被験薬の効果と同時に投与される他の薬剤の効果、プラセボ効果を個別に評価する必要があります。また、患者の既往症も考慮する必要があります。
COVID-19研究の取り組みは、患者さんがこの新しい疾患から回復できるよう、エビデンスに基づいた解決策を見出すことを目的としています。
他の疾患と同様、罹患直後、軽度、中等度、重度のCOVID-19患者に対して「一つですべてに効く」治療法はないと考えています。治療法は、病期や併存疾患、薬剤の入手のしやすさ、他の因子によって異なる可能性があります。エビデンスにそれらの要因を加えていき、病期ごとに患者さんに適した治療アプローチを継続的に見出していくことが重要です。
ノバルティスでは、独自のヒドロキシクロロキンの臨床試験*を進め、必要な科学的データを取得することに引き続き取り組んでいます。COVID-19患者に対する最良の治療選択肢を特定することを目指し、他の試験の状況を注視するとともに、ヒドロキシクロロキンの適正使用情報について検討して参ります。
*現在のところ、日本は対象外です。
References:
- The Lancet - Hydroxychloroquine or chloroquine with or without a macrolide for treatment of COVID-19: a multinational registry analysis https://doi.org/10.1016/S0140-6736(20)31180-6