ノバルティスがlifitegrast点眼薬5%を取得し、前眼部ポートフォリオを拡大 眼科治療の領域をさらに強化
プレスリリース
報道関係各位
ノバルティス ファーマ株式会社
この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2019年5月9日(現地時間)に発表したプレスリリースを日本語に翻訳・要約したもので、報道関係者の皆様に対する参考資料として提供するものです。本剤は日本国内では未承認です。資料の内容および解釈については英語が優先されます。英語版はhttps://www.novartis.comをご参照ください。
- lifitegrast点眼薬5%は、46億ドルに及ぶノバルティスの眼科領域ポートフォリオの中に戦略的に位置づけられ、現在開発中の前眼部領域を支える製品に1
- lifitegrast点眼薬5%は炎症を標的とする作用機序を有し、ドライアイの他覚所見と自覚症状に対して承認された初めてかつ唯一の治療薬2
- lifitegrast点眼薬5%の2018年の売上高は4億ドルで今後のさらなる伸長が見込まれる。規制当局の承認を含む通常のクロージング条件の充足により、資産の取得は2019年下半期に完了する見通し
- 契約内容には、一時金34億ドルの支払いが含まれ、マイルストーン支払金は最大19億ドルに
2019年5月9日、スイス・バーゼル発–ノバルティスは、lifitegrast点眼薬5%に関連する全世界における資産を取得する契約を武田薬品工業株式会社と締結したことを発表しました。lifitegrast点眼薬5%は、疾患に起因する炎症を阻害することにより、ドライアイの他覚所見と自覚症状を治療するものとして承認された初めての治療薬です2。これにより、ノバルティスの前眼部疾患に関連する製品群をはじめ眼科領域全般のさらなる強化が見込まれます。規制当局の承認を含む通常のクロージング条件に従い、資産の取得は2019年下半期に完了する見込みです。資産の取得完了後、ノバルティスは、lifitegrast点眼薬5%に関連する業務の統合を円滑に進めていきます。
ドライアイは頻度の高い炎症性疾患で、治療をしなければ非常に強い痛みを伴い、角膜と視力の恒久的な障害に至るおそれがあります3。この障害は、様々な臨床検査(角膜染色など)を通じて眼科専門医が客観的に測定することが可能な他覚所見および自覚症状(疼痛および不快感など)をもって現れます。lifitegrast点眼薬5%は抗炎症作用を持ち、眼障害の他覚所見および患者さんが感じる身体的な自覚症状の治療に対して承認された初のドライアイ治療薬です。第III相試験で示されたlifitegrast点眼薬5%のベネフィットには、タイムリーな効果の発現および忍容性が良好な安全性プロファイルが含まれます。
ノバルティス ファーマのCEOであるポール・ハドソン(Paul Hudson)は、次のように述べています。「lifitegrast点眼薬5%にはその特徴となる2つのベネフィットがあり、弊社が患者さんのベネフィットを目的に投資している革新的進歩の一例です。私たちは、弊社の十分に確立された商業的なインフラを活用し、より多くの患者さんにこの医薬品をお届けできることを期待しています」
lifitegrast点眼薬5%の取得を通してノバルティスは、眼疾患を患うより多くの患者さんの役に立てる能力を向上させることに加え、lifitegrast点眼薬5%でのさらなる商業的経験を経ることで、現在開発中の前眼部疾患の製品についても、弊社の位置づけがさらに高まると見込んでいます。
契約内容には、一時金34億ドルの支払いが含まれ、マイルストーン支払金は最大19億ドルになる可能性があります。ノバルティスは契約の一環として、本製品にかかわる約400名の社員を雇用する予定です。
ドライアイについて
ドライアイは、涙液および眼表面の多因子性疾患です3。米国の罹患者は、3400万人を超えると推定されています3。診断は、乾燥感、眼不快感、眼痛、灼熱感、異物感または霧視などの患者さんから報告された自覚症状、ならびに様々な検査を通じて客観的に評価できる充血や角膜損傷などの眼表面障害の他覚所見に基づいて眼科専門医が下します4。ドライアイは、読む、車を運転する、仕事をする、機器を使用する、明るい陽光の屋外および寒い状況下や風の強い状況下で過ごすなどの日常活動を妨げることがあります3。従来、加齢および性別(有病率は女性の方が高い)はドライアイの危険因子であると認識されていましたが、現代の危険因子として、デジタル/コンピュータ画面を長時間みること、コンタクトレンズを装着すること、白内障または屈折矯正手術を受けることなどがあります4, 5。ドライアイは進行し、眼科医を受診する理由として最も頻度が高いものの1つです6。
lifitegrast点眼薬5%について
lifitegrast点眼薬5%は、ドライアイの他覚所見と自覚症状を治療するよう設計された点眼薬です2。1日2回、約12時間あけて左右の眼に点眼します2。lifitegrast点眼薬5%は、米国、カナダ、オーストラリアを含む複数の市場で、ドライアイの他覚所見と自覚症状の治療に対して承認されています。他にも、多くの市場で承認審査が行われています。
lifitegrast点眼薬5%は、4つの12週間基剤対照試験で約1000人の患者さんに投与されました2。4試験では、それぞれベースライン時、2週目、6週目、12週目にドライアイの他覚所見と自覚症状に対するlifitegrast点眼薬5%の効果が評価されました2。
この4試験中3試験では、lifitegrast点眼薬5%で6週目と12週目に眼乾燥スコア(EDS)の大きな低下がみられました2。4試験中2試験では、lifitegrast点眼薬5%で2週目にEDSの改善がみられました。4試験中3試験では、lifitegrast点眼薬5%で下側角膜染色スコア(ICSS)の大きな低下が12週目にみられました2。患者さんの5~25%に報告された最も頻度の高い副作用は、点眼部位刺激感、味覚の変化(味覚障害)、視力低下でした2。
免責事項
本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、現在の予想と異なる場合があることをご了解ください。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照ください。
ノバルティスについて
ノバルティスは、より充実したすこやかな毎日のために、これからの医薬品と医療の未来を描いています。ノバルティスの製品は、世界中の7億5千人以上の患者さんに届けられています。約10万5千人の社員が世界中のノバルティスで働いており、その国籍は約140カ国に及びます。詳細はホームページをご覧ください。https://www.novartis.co.jp
以上
参考文献
- Novartis International AG. (2018). Novartis Q4 and FY 2018 Condensed Financial Report - Supplementary Data. Retrieved from: https://www.novartis.com/sites/www.novartis.com/files/2019-01-financial-...
- FDA. Xiidra (lifitegrast ophthalmic solution). Prescribing information. Available at:: https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2016/208073s000lbl.pdf. Accessed April 25, 2019.
- Paulsen AJ, Cruickshanks KJ, Fischer ME, et al. Dry eye in the beaver dam offspring study: prevalence, risk factors, and health-related quality of life. Am J Ophthalmol. 2014;157(4):799-806. doi:10.1016/j.ajo.2013.12.023.
- American Optometric Association. Dry Eye. Available at: https://www.aoa.org/patients-and-public/eye-and-vision-problems/glossary... Accessed April 25, 2019.
- Sheppard AL, Wolffsohn JS. Digital eye strain: prevalence, measurement and amelioration. BMJ Open Ophthalmol. 2018;3(1):e000146. doi:10.1136/bmjophth-2018-000146.
- Bradley JL, Özer Stillman I, Pivneva I, et al. Dry eye disease ranking among common reasons for seeking eye care in a large US claims database. Clin Ophthalmol. 2019;13:225-232. doi:10.2147/OPTH.S188314.