ノバルティス、重症スギ花粉症患者におけるオマリズマブの効果と安全性、QOLおよび労働生産性についての結果を発表
プレスリリース
報道関係各位
ノバルティス ファーマ株式会社
ノバルティス ファーマ株式会社(代表取締役社長:綱場 一成)は、既存治療でコントロール不十分な重症または最重症スギ花粉症患者を対象に、オマリズマブ(遺伝子組換え)を標準治療に上乗せ投与した場合の有効性を検討した国内第Ⅲ相臨床試験を実施し、この度、ポルトガル・リスボンで開催された欧州アレルギー臨床免疫学会(EAACI)年次総会において、国際医療福祉大学 大学院医学研究科 耳鼻咽喉科学 教授 岡野 光博先生から本試験結果が発表されましたので、お知らせ致します。
本試験は、直近2年間に既存治療でコントロール不十分な重症または最重症スギ花粉症患者を対象に本剤の有効性・安全性を検討したランダム化、二重盲検、並行群間、プラセボ対照試験です。治験薬の投与期間は12週間とし、標準治療として抗ヒスタミン薬および鼻噴霧用ステロイド薬を全被験者に投与しました。主要評価項目は症状ピーク期の鼻症状スコアの平均値としました。その他の評価項目として眼症状スコア、QOL(JRQLQ No.1)および労働生産性(WPAI-AS)などが評価されました。
337名(オマリズマブ群162名,プラセボ群175名)がランダム化され、約98%の患者が治療期間を完了しました。症状ピーク期の鼻症状スコアは本剤群3.66、プラセボ群4.69で、その差(95%信頼区間)は-1.03(-1.44, -0.62, p<0.001)と統計学的にも臨床的にも意味のある差が認められました。また、症状ピーク期の眼症状の改善が認められ、QOLを計る指標であるJRQLQ No.1*および労働生産性を計る指標であるWPAI-AS**は、全ドメインで一貫してプラセボ群に比べて本剤群で低下を示しました。また、安全性に新たな懸念は認められませんでした。
患者数が多いことから国民病とも言われている花粉症ですが、症状が重症化するケースも多く、花粉症が日常生活および労働生産性に及ぼす影響は社会的な問題として関心が高まっています。本剤により、重症スギ花粉症患者の症状、QOL、および労働生産性の改善傾向が見られたことから、既存治療薬では効果が認められない重症または最重症の花粉症患者さんに、一日でも早くオマリズマブをお届けできるよう、承認取得に努めて参ります。
*JRQLQ No.1(日本アレルギー性鼻炎標準QOL調査票):直近1~2週間で最もひどかった鼻眼6症状の程度、これらの症状によるQOLへの影響度、総括的状態について評価する質問票
** WPAI-AS(日常生活に及ぼす影響の調査 アレルギー編):過去1週間の労働又は勉学に関する質問と日常生活への影響に関する質問票。結果は労働/勉学時間損失率,労働/勉学能率低下率,全般労働/勉学障害率,日常生活障害率(%)で表す。
「ゾレア®」〔一般名:オマリズマブ(遺伝子組換え)〕について
オマリズマブ(遺伝子組み換え)は、ヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体で、アレルギー性喘息の治療薬として開発され、国内では成人の気管支喘息治療剤として2009年1月(150mg凍結乾燥製剤)および2012年9月(75mg凍結乾燥製剤)に、小児の気管支喘息治療剤として2013年8月に、また、慢性蕁麻疹治療剤として2017年3月に承認を取得し「ゾレア®」として発売されています。2018年10月現在、世界90ヵ国以上で気管支喘息の治療薬として、また、世界80ヵ国以上で特発性の慢性蕁麻疹の治療薬として承認されています。花粉症の適応については、世界に先駆けて日本で2018年12月6日に承認申請をいたしました。
花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)について
花粉症は、植物花粉によって誘因される季節性アレルギー性鼻炎で、IgEを介するI型アレルギー疾患です。花粉症の主な症状は、発作・反復性のくしゃみ、水様性鼻漏、鼻閉(3主徴)で、これに加えてしばしば目のかゆみ、涙目が伴います。
ノバルティス ファーマ株式会社について
ノバルティス ファーマ株式会社は、スイス・バーゼル市に本拠を置く医薬品のグローバルリーディングカンパニー、ノバルティスの日本法人です。ノバルティスは、より充実したすこやかな毎日のために、これからの医薬品と医療の未来を描いています。ノバルティスは世界で約10万5千人の社員を擁しており、7億5千万人以上の患者さんに製品が届けられています。詳細はホームページをご覧ください。
https://www.novartis.co.jp
以上