ノバルティス、QVM149のCHMP承認勧告を発表 コントロール不十分な喘息患者に対する初のLABA/LAMA/ICS配合剤
プレスリリース
報道関係各位
ノバルティス ファーマ株式会社
この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2020年5月1日(現地時間)に発表したプレスリリースを日本語に翻訳したもので、報道関係者の皆様に対する参考資料として提供するものです。本剤は日本国内では未承認です。資料の内容および解釈については英語が優先されます。英語版はhttps://www.novartis.comをご参照ください。
- 今回のCHMP承認勧告は、EUで標準治療であるLABA/ICSでコントロール不十分な喘息患者に対し、初めてのLABA/LAMA/ICS配合剤を届けるための大きな一歩である
- 吸入確認、服薬リマインダー、治療上の決定をより良くサポートする客観的データへのアクセスを提供するアプリおよびセンサーを備えたデジタルデバイスもQVM149(IND/GLY/MF)の承認勧告に含まれる
- この決定は、3,000人を超える喘息患者が参加した第III相IRIDIUM試験において、1日1回IND/GLY/MFが1日1回のIND/MF(QMF149)と比較して、呼吸機能の統計的有意な改善を示した有効性および安全性データに基づく1
- 第III相IRIDIUM試験の副次的評価の解析において、高用量IND/GLY/MFは高用量Sal/Fluと比較して、統計学的有意な呼吸機能の改善と、中等度から重度および重度の喘息増悪率の低下が見られた1
2020年5月1日、スイス・バーゼル発 – ノバルティスは、欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品委員会(以下、CHMP)が、長時間作用性β2刺激薬(以下、LABA)と高用量の吸入ステロイド薬(以下、ICS)の併用による維持療法で、過去1年に1回以上の喘息増悪を経験したコントロール不十分な成人喘息患者における維持療法として、QVM149(一般名:インダカテロール酢酸塩、グリコピロニウム臭化物、およびモメタゾンフランカルボン酸エステル、以下、IND/GLY/MF)の承認勧告を採択したことを発表しました。承認されれば、これらの患者に対する初めての1日1回投与のLABA/長時間作用性ムスカリン受容体拮抗薬(以下、LAMA)/ICS固定用量配合剤となります。欧州委員会(EC)はCHMPの承認勧告に基づき、通常約2カ月で最終決定を下します。
グロニンゲン大学医療センター呼吸器学部長ホイブ ケルスチャン(Huib Kerstjens)教授は次のように述べました。
「この試験では、標準治療であるLABA/ICSと比較して、IND/GLY/MFが呼吸機能および症状を改善することが示されており、コントロール不十分な喘息患者にとって重要な一歩です。第III相IRIDIUM試験の副次的評価の解析では、高用量のサルメテロールキシナホ酸塩/フルチカゾンプロピオン酸エステルと比較して、高用量のIND/GLY/MFで中等度から重度、および重度の喘息増悪率の統計的に有意な低下が認められました」。
IND/GLY/MFは、吸入確認が可能な単容量型ドライパウダー吸入器「ブリーズヘラー®」を用いて1日1回吸入投与します。承認された場合、IND/GLY/MFは、デジタルデバイスと一緒に処方されるEUで最初の喘息治療薬となります。デジタルデバイスとは「ブリーズヘラー®」用に開発されたプロペラ・ヘルス社のセンサーとアプリで構成されます。このデジタルデバイスは、吸入確認、服薬リマインダー、及び治療上の決定をより良くサポートするため、患者に主治医とも共有できる客観的データへのアクセスを提供するものです。
ノバルティスの呼吸器領域グローバル開発責任者のリンダ アームストロング(Linda Armstrong, MD)は次のように述べました。
「コントロール不十分な喘息患者に、革新的な医薬品とデジタルデバイスをお届けしていくという今日のニュースは、喘息治療の未来を描くという私たちの進むべき道において重要で画期的な出来事です。既存の吸入療法にも関わらず病気により生活への影響を受けている患者が、一日一回のIND/GLY/MFにより喘息のコントロールを改善できる可能性があります。さらに、IND/GLY/MFと共に革新的なセンサーとアプリのデジタルデバイスを患者にお届けし、アドヒアランスの向上を支援できることも嬉しく思います。」
CHMPの承認勧告は、IND/GLY/MFがインダカテロール酢酸塩/モメタゾンフランカルボン酸エステル(以下、IND/MF)と比較して呼吸機能の統計的に有意な改善を検証した、3,000人を超える喘息患者が参加した第III相IRIDIUM試験の有効性および安全性データに基づいています1。
IRIDIUM試験における主要な副次評価項目は、IND/GLY/MFに対するIND/MFの喘息管理質問票(以下、ACQ-7)スコアの改善でした。どちらの治療も、投与26週時にベースラインと比較して臨床的に意味のあるACQ-7スコアの改善をもたらしましたが、主要な副次的評価項目は達成しませんでした。IRIDIUM試験の副次的評価の解析の中で、確立された標準治療薬であるLABA/ICS(1日2回投与のサルメテロールキシナホ酸塩/フルチカゾンプロピオン酸エステル)と比較して、IND/GLY/MFは中等度から重度、および重度の喘息増悪率を統計的有意に低下させました。安全性は、単成分の既知の安全性プロファイルと一致していました1。
3月にCHMPは、QMF149(IND/MF)を吸入ステロイド薬および吸入短時間作用性β刺激薬で十分に管理されていない12歳以上の成人に対する喘息の維持療法としての承認勧告を行いました2。ノバルティスは、IND/GLY/MFおよびIND/MFを患者に届けることをコミットしており、現在スイス、日本、カナダなど複数の国で承認申請中です。
ノバルティスは、喘息治療配合剤による環境への影響を低減するというコミットを守るため、ヒドロフルオロアルカン/クロロフルオロカーボン(HFA/CFC)を使用しない吸入器「ブリーズヘラー®」をIND/GLY/MFとIND/MFで使用いたします。
コントロール不十分な喘息について
喘息は世界中で3億5,800万人が罹患していると推定され、症状がコントロール不十分な場合、個人的、健康的、経済的負担の点から重大な問題を引き起こしかねません。既存治療を受けているにも関わらず、GINA(Global Initiative for Asthma)ステップ3の40%以上、GINAステップ4および5の45%以上の患者は、症状のコントロールが不十分であるといわれています5,6。症状のコントロールが不十分な喘息患者は、疾患の重症度を軽視または過小評価する傾向があり、増悪、入院または死亡のリスクが高くなるという報告もあります7,8,9。治療法が合わない、経口ステロイド薬の安全性、生物学的製剤の不適応など未解決の課題はまだ多く、喘息に対するアンメット・メディカル・ニーズが明らかになっています10,11。
QVM149について
QVM149(IND/GLY/MF)は、長時間作用性β2刺激薬(以下、LABA)と高用量の吸入ステロイド薬(以下、ICS)の併用による維持療法下において過去1年に1回以上の喘息増悪を経験したコントロールが不十分な成人の喘息患者に対する維持療法となります。
この製剤は、気管支拡張作用を持つインダカテロール酢酸塩(LABA)、抗ムスカリン作用を持つグリコピロニウム臭化物(LAMA)、そしてモメタゾンフランカルボン酸エステル(高用量ICS)の1日1回投与の配合剤であり、用量確認が可能な吸入器「ブリーズヘラー®」を使用します。グリコピロニウムの特定の用途と製剤の知的財産権は、2005年4月にSosei HeptaresおよびVecturaにより、ノバルティスに独占的に許諾されました。モメタゾンは、QVM149(米国を除く世界各国)での使用が米国ニュージャージー州ケニルワースにあるメルク・アンド・カンパニーの子会社からノバルティスに独占的に許諾されています。
プロペラ・ヘルス社が「ブリーズヘラー®」用に開発したセンサーは、海外ではCEマークを取得している医療機器で、ノバルティスに全世界でライセンス許諾されています*。センサーには、マイクロチップ、マイク、Bluetooth機能、アンテナ、およびバッテリーが搭載されています。センサーは、吸入器「ブリーズヘラー®」の薬物送達特性に影響を与えず、それぞれの投与を記録します。記録された患者の薬剤使用状況に基づいて、患者が喘息の症状をよりよく自己管理できるようにアプリ内にユーザー毎にカスタマイズされた内容が提示されます。
QMF149 について
QMF149(IND/MF)は、ICSおよび吸入短時間作用性β刺激薬で適切にコントロール出来ない12歳以上の未成年、および成人喘息の維持療法を目的とした、インダカテロール酢酸塩とモメタゾンフランカルボン酸エステルの吸入配合剤です。IND/MFは、気管支拡張作用を持つインダカテロール酢酸塩(LABA)と抗炎症作用を持つモメタゾンフランカルボン酸エステル(ICS)の1日1回投与の配合剤であり、用量確認が可能な吸入器「ブリーズヘラー®」を使用します。モメタゾンは、QVM149(米国を除く世界各国)での使用が米国ニュージャージー州ケニルワースにあるメルク・アンド・カンパニーの子会社からノバルティスに独占的に許諾されています。
PLATINUM臨床開発プログラムについて
世界中で7,500人以上の患者を対象としたPLATINUMプログラムは、IND/GLY/MFおよびIND/MFの開発のためのノバルティスの第III相臨床開発プログラムです。これには、低用量のIND/MFをMF単剤と比較したQUARTZ試験、IND/MFをMFおよびサルメテロールキシナホ酸/フルチカゾンプロピオン酸エステル(Sal/Flu)と比較したPALLADIUM試験、IND/GLY/MFをIND/MFおよびSal/Fluと比較したIRIDIUM試験、IND/GLY/MFをSal/Fluとチオトロピウムの併用と比較したARGON試験の4試験が含まれます。
IRIDIUM試験について1,12
IRIDIUM試験は、喘息患者を対象にIND/GLY/MFとIND/MFの有効性および安全性を比較するためにデザインされた、第III相、多施設共同、無作為化、二重盲検、並行群間比較試験でした。
本試験の目的は、呼吸機能検査および喘息コントロールを指標とし、コントロール不十分の喘息患者において、2種類の異なる用量のIND/GLY/MF(高用量:150/50/160μgおよび中用量:150/50/80μg)と、対応する2種類のIND/MF用量(高用量:150/320μgおよび中用量:150/160μg)の有効性および安全性を評価することでした。
一定した用量すなわちLABA/ICS中用量または高用量による治療を受けているにも関わらず、全患者がスクリーニング時に症候性であることが求められました。成人男女の喘息患者約3,092例が1:1:1:1:1(各投与群約618例)で以下いずれかの群に無作為に割り付けられました。
- IND/GLY/MF150/50/80μg(1日1回)
- IND/GLY/MF150/50/160μg(1日1回)
- IND/MF150/160μg(1日1回)
- IND/MF150/320μg(1日1回)
- Sal/Flu50/500μg(1日2回、Accuhaler®経由)
本試験の主要な目的は、投与開始26週間後のトラフFEV1(治験薬投与から約24時間後において、最大の努力により最初の1秒間に吐き出せる呼気の容量)の改善に関し、喘息患者において1日1回投与による高用量IND/GLY/MFの高用量IND/MFに対する、中用量IND/GLY/MFの中用量IND/MFに対する優越性を検証することでした。
主要な副次的評価の目的は、投与26週後の喘息管理質問票(ACQ-7)スコアの改善に関し、喘息患者においてそれぞれの用量でIND/GLY/MFのIND/MFに対する優越性を検証することでした。
その他の副次的評価の解析として、高用量IND/GLY/MFと高用量IND/MF、および中用量IND/GLY/MFと中用量IND/MFの増悪率の低下の比較、Sal/Flu(50/500μg)と比較したIND/GLY/MFの両用量の有効性の比較も含みました。
本試験の結果、IND/GLY/MFはIND/MFと比較し投与開始26週後のトラフFEV1の改善に優れており、主要評価項目を達成しました。主要な副次評価項目であるIND/MF に対するIND/GLY/MFのACQ-7スコアの改善は達成されませんでしたが、何れの群も投与26週時にベースラインと比較して臨床的に意味のある改善を示しました。その他の副次的評価の解析から、IND/GLY/MFは1日2回投与のSal/Flu(50/500μg)と比較して、中等度から重度および重度の喘息増悪率の大幅な低下を示しました。
IND/GLY/MFは概して忍容性が良好であり、安全性は治療群間で同様でした。
本試験で測定されたすべてのエンドポイントに関する詳細情報は、ClinicalTrials.gov(識別子:NCT02571777)で閲覧可能です。
PALLADIUM試験について13
PALLADIUM試験(NCT02554786)は、多施設共同、無作為化、52週間投与、二重盲検、トリプルダミー、並行群間比較試験であり、喘息患者を対象に、MF単独投与と比較したIND/MFの有効性および安全性を評価するようデザインされました。
PALLADIUM試験には、スクリーニングの3ヵ月前に中用量または高用量のICS、またはLABA/ICS低用量を使用し、気管支拡張薬投与前のFEV1が患者の予測正常値の50%以上80%未満、喘息コントロール質問票(ACQ-7)スコアが1.5を超える2,216人の男女患者(12歳以上18歳未満の107人の未成年を含む)が参加しました。
患者を1:1:1:1に無作為に割り付け、高用量IND/MF(150/320μg)を「ブリーズヘラー®」(n=445)で1日1回投与、中用量IND/MF(150/160μg)を「ブリーズヘラー®」(n=439)で1日1回投与、MF400μgをツイストヘラー®(n=444)で1日1回投与、MF800μgに関してはツイストヘラー®(n=442)でMF400μg を1日2回投与、またはサルメテロールキシナホ酸/フルチカゾンプロピオン酸エステル(Sal/Flu)50/500μgをAccuhaler®で1日2回投与(n=446)、のいずれかで治療を開始しました。
試験の結果、中用量および高用量のIND/MFは、投与26週時のトラフFEV1に関しMFと比較して有意な改善を示しました(中用量:0.211L; p<0.001)、(高用量:0.132L; p<0.001)。また、主要な副次評価項目である投与26週時のACQ-7スコアの改善に関しても、MF(2用量を併合)と比較してIND/MF(2用量を併合)で優れることが示されました(-0.209; p<0.001)。これらのポジティブな結果は52週時にも認められました。
その他の呼吸機能に関する評価項目の解析では、朝夕ともにピークフロー(以下、PEF)はMFと比較してIND/MFが大きく改善しました。また、日常のレスキュー薬使用量および増悪率の低下も認められました。初回来院時または過去の成績から、サルブタモール400μg/アルブテロール360μg(または同等の用量)投与後、患者は30分以内にFEV1が12%、200 mL上昇しました。
Sal/Fluとの比較の副次的解析では、高用量IND/MFは投与52週時でトラフFEV1(0.048L; p=0.040)の改善を示しました。喘息コントロールにおいて、高用量IND/MFおよびSal/Fluは、ACQ−7スコアの差が0.010であり、同程度の結果でした(p=0.824)。Sal/Fluに対し高用量IND/MFで治療した患者では、朝と夕の両方のPEF(朝:13.8L/分; p<0.001)(夜:9.1L/分; p=0.002)、および52週間にわたるレスキュー薬が不要であった日の割合(4.3; p=0.034)において改善が示されました。また、高用量IND/MFは、投与開始1日目の5分でのFEV1計測で示されたように、Sal/Fluよりも早い作用の開始を示しました(0.055L; p<0.001)。
IND/MFの忍容性は概ね良好であり、安全性は治療群間で同程度でした。
QUARTZ試験について14
QUARTZ試験(NCT02892344)は、成人および青少年の喘息患者を対象に、IND/MF(150/80μg)の有効性および安全性を吸入器ツイストヘラー®を用いて投与するMF(200μg)と比較する第III相、多施設共同、無作為化、12週投与、二重盲検試験です。
患者全員が、導入期間への組み入れ前1ヵ月以上にわたり低用量ICS(LABAの有無を問わない)の投与を継続している必要がありました。導入期では、全患者に非盲検下でフルチカゾンプロピオン酸100μgを、Accuhaler®を用いて1日2回投与しました。導入期終了時に適格基準を満たした患者を、吸入確認できる吸入器「ブリーズヘラー®」を用いてIND/MF 150/80μgを1日1回投与する群と、ツイストヘラー®を用いてMF 200μgを1日1回投与する群に、無作為にそれぞれ1:1の割合で均等に割り付けました。
男女の喘息患者802例(12歳以上18歳未満の青少年患者64例を含む)を、IND/MF投与群(n=398)またはMF投与群(n=404)に無作為に割り付けました。 平均年齢は45.6歳、喘息の平均罹病期間は14.0年でした。
気管支拡張薬投与前の平均FEV1(正常予測値に対する%)は、ベースライン時に75.1%であり、短時間作用性β刺激薬吸入後のFEV1可逆性の平均は20.7%でした。患者の大半は、試験前に低用量ICS(42.9%)またはLABA/ICS低用量(56.0%)による治療を受けていました。
投与期間終了時にスパイロメトリーを実施しました。主要な目的は、成人および未成年患者における投与12週後のトラフFEV1に関して、1日1回投与のMF 200μgに対する1日1回(夜に)投与のIND/MF 150/80μgの優越性を示すことでした。主要な副次的評価目的は、投与12週後の喘息管理質問票(ACQ-7)のスコアに関して、MF 200μg(1日1回)に対するIND/MF 150/80μgの優越性を示すことでした。
IND/MFは、コントロールが不十分な喘息の成人および未成年患者において、投与12週後のトラフFEV1をMFと比較して統計学的有意に改善しました(最小二乗[LS]平均治療群間差: 0.182L、95%CI: 0.148、0.217; p<0.001)。
さらに、MF単剤に対してIND/MFは、夕方のPEFが26.1L/minと改善したことで臨床的に意義のある呼吸機能ベネフィットを示しました(95%CI: 21.0、31.2)。
また、IND/MFはMFと比較して、投与12週後にACQ-7スコアで評価された喘息コントロールにおいて統計学的有意な改善を示しました(LS平均治療群間差: -0.218, 95%CI: -0.293, -0.143; p<0.001)。
さらに、臨床的に意味のあるACQ-7の改善がレスポンダー解析により示され、IND/MF群はMF群と比較してレスポンダーの割合が高いことが示されました(ACQ-7の改善>=0.5)(それぞれ74.7%対64.9%)(オッズ比: 1.69、95%CI: 1.23、2.33)。
IND/MFは概して忍容性が良好であり、安全性は治療群間で同程度でした。
ARGON試験について15
ARGON試験(NCT03158311)は、コントロール不十分な喘息患者を対象に、IND/GLY/MFとサルメテロールキシナホ酸塩/フルチカゾンプロピオン酸エステル(Sal/Flu)+チオトロピウムの併用療法との有効性および安全性を比較する第IIIb相、多施設、共同無作為化、24週間、並行群間、非劣性、非盲検(2つのIND/GLY/MF群は盲検)、実薬対照の試験です。ARGON試験は終了し、その臨床試験報告書は現在作成中です。
本試験の目的は、コントロール不十分な喘息患者を対象に、2つの用量の固定用量配合剤IND/GLY/MF(高用量:150/50/160μgおよび中用量:150/50/80μg)による効果の、Sal/Flu(50/500μg)+チオトロピウム(5μg)の併用療法による効果に対する非劣性を検証することでした。
全患者はスクリーニング時に、LABA/ICS中用量または高用量による治療にも関わらず、喘息管理質問票(ACQ-7)スコア≥1.5で定義される症状が残存していました。
コントロール不十分な男女の喘息患者(18歳以上)約1,251例が1:1:1(各治療群約417例)に無作為に割り付けられ、以下のいずれかが投与されました:
- IND/GLY/MF150/50/80μg(1日1回)
- IND/GLY/MF150/50/160μg(1日1回)
- 非盲検Sal/Flu50/500μg(1日2回)をディスカス®で投与+チオトロピウムをレスピマット®で投与
本試験の主要な目的は、投与24週時の喘息QOL質問票(AQLQ)に関し、高用量IND/GLY/MFおよび低用量IND/GLY/MFの、対照薬であるSal/Flu+チオトロピウムに対する非劣性を検証することでした。
含まれる副次的目的:
- Sal/Flu+チオトロピウムに対する高用量IND/GLY/MFおよび中用量IND/GLY/MFの有効性を投与24週後のトラフFEV1で比較評価する
- Sal/Flu+チオトロピウムに対する高用量IND/GLY/MFおよび中用量IND/GLY/MFの有効性を投与24週間にわたり喘息QOL質問票で比較評価する
- Sal/Flu+チオトロピウムに対する高用量IND/GLY/MFおよび中用量IND/GLY/MFの有効性を投与24週間にわたりACQ-7スコアで比較評価する
- Sal/Flu+チオトロピウムに対する高用量IND/GLY/MFおよび中用量IND/GLY/MFの有効性を投与24週間にわたり呼吸機能で比較評価する
免責事項
本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどにより、現在の予想と異なる場合があることをご了解ください。なお、詳細につきましては、ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照ください。
ノバルティスについて
ノバルティスは、より充実したすこやかな毎日のために、これからの医薬品と医療の未来を描いています。私たちは、医薬品のグローバルリーディングカンパニーとして、革新的な科学とデジタルテクノロジーを駆使し、医療ニーズの高い領域で変革をもたらす治療法の開発を行っており、新薬開発のために、常に世界トップクラスの研究開発費を投資しています。ノバルティスの製品は、世界中の8億人以上の患者さんに届けられています。また、私たちは、ノバルティスの最新の治療法に多くの人がアクセスできるように革新的な方法を追求しています。約10万9千人の社員が世界中のノバルティスで働いており、その国籍は約145カ国に及びます。詳細はホームページをご覧ください。https://www.novartis.com
以上
参考文献
- Data on file
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ノバルティス、QVM149のCHMP承認勧告を発表 コントロール不十分な喘息患者に対する初のLABA/LAMA/ICS配合剤(PDF 455KB)