人はこんなにも協力してくれるのか! 「ありがたい」としかいいようがなかった

人はこんなにも協力してくれるのか! 「ありがたい」としかいいようがなかった

人はこんなにも協力してくれるのか!
「ありがたい」としかいいようがなかった


「震災で失ったものもありますが、いただいたもののほうが多い気がします」と佐藤さんは言う。

夫と2人の娘という家族は皆無事だったが、親戚を亡くした。病院では、多くの命が突然失われるのを目の当たりにした。一方で、得たのは、「人と人とのつながり」だ。

震災当日、佐藤さんは東京で行われる研修に参加するため新幹線で南下していた。地震に見舞われたのは、福島駅に止まった新幹線が、駅を出ようしたときだった。詳しい状況もよくつかめないまま駅で降ろされ、不安でどうしようもないなか、隣に座っていた見ず知らずの女性が話し相手になってくれた。ホテルのロビーで一夜を明かし、石巻へ戻るにいたっては、タクシーの運転手が、行っては引き返しということを繰り返しながら、走れる道を探しながら、帰り分のガソリンがぎりぎり保てるところまで連れて行ってくれた。

その道中、家族と連絡が一切つかず、「きっと無理だろう」と泣きながら向かっていたものの、自宅に帰ると、夫も娘も無事だった。特に、娘二人は、それぞれ野蒜(のびる)と大街道という、海に程近い職場にいたものの、職場の人たちに助けられ、支えられ、命を救われた。「生きていたことが本当にありがたい。抱き合って喜びました」。

石巻赤十字病院看護師 人はこんなにも協力してくれるのか!「ありがたい」としかいいようがなかった

病院では、全国各地から駆けつけてくれた多くの医療チームが支援の手を差し伸べてくれた。「人ってこんなにも協力してくれるんだと、ありがたいとしか言いようがなかったです」。

そして、赤エリアや黒エリアでの家族支援、遺族支援にあたり、自分自身のメンタル面をコントロールすることが大変だったときには、一緒に働いている同僚たちが支えになってくれた。医師や臨床心理士が話を聞いてくれたこと、同じ任務に当たっているメンバーと、慌しいさなかに一緒に夕飯を食べながら辛い気持ちを話し合えたことが、乗り切れた秘訣だ。


Source URL: https://www.novartis.com/jp-ja/will-people-cooperate-much-could-only-say-thank-you

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